雑文

「ラノベの本格派ミステリー」と西尾維新

ちょっと旬を過ぎましたが、久米田康治『さよなら絶望先生』の最新巻が発売されました。さよなら絶望先生(15) (講談社コミックス)作者: 久米田康治出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/10/17メディア: コミック購入: 5人 クリック: 8回この商品を含むブログ…

『鏡の国のアリス』7月4日問題とチェスタトン『マンアライヴ』

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)作者: 北山猛邦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/10/15メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 15回この商品を含むブログ (28件) を見る 北山猛邦『『アリス・ミラー城』殺人事件』はルイス・キャロル『鏡の国のア…

読書メーターは本読みのtwitterとなり得るか

読書メーターというサイトがあります。 読んだ本を登録することで自分の読書記録が蓄積される、という仕組みでして、フジモリも1ヶ月ほど前からコソコソとはじめております。 お気に入りの人を登録すると、その人がどんな本を読んだのか、今どんな本を読ん…

朝日新聞に「ライトノベル学校で必要か」という投書が掲載される。

朝日新聞2008年10月5日付朝刊8面の投書欄『声』に「ライトノベル学校で必要か」という投書が掲載されています*1。 要約すると、学校の図書館にラノベっていうマンガみたいな本ばっか増えてるけど、古典文学みたいな良書を読んでる奴はほとんどいねーぞ。人気…

『ムダヅモ無き改革』から麻雀に関する小ネタをいくつか。

ムダヅモ無き改革 (近代麻雀コミックス)作者: 大和田秀樹出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2008/09/05メディア: コミック購入: 18人 クリック: 228回この商品を含むブログ (206件) を見る 各所で品切れを起こしていました大和田秀樹『ムダヅモ無き改革』です…

雑談小説と安楽椅子探偵小説

ネットの海をさまよってて気になった記事についてつらつらと。 時代は『ハルヒ』型から『らき☆すた』型なのか。 と安直に考えたくないものの、雑談小説とでも呼ぶべきジャンルが急速に増えているのは事実だ。 (さあ? 広がる雑談小説ブーム? 『ラノベ部』…

ファンタジーとライトノベルと児童文学の関係

名付けるならば、ファンタジー力でしょうか? 物語を書くということではなくて、現実につぶされない、明日を信じる力だと思うんです。明日は誰にも見えないので、それを信じるのはファンタジーの力だと思います。 (『小説新潮』2008年9月号所収あさのあつこ…

17歳教の起源は銀河英雄伝説?

銀河英雄伝説 〈10〉 落日篇 (創元SF文庫)作者: 田中芳樹,星野之宣出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/08/30メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (45件) を見る 『銀河英雄伝説』10巻では、既に30歳を過ぎている某キャラと30…

アンパンマンとフランケンシュタイン

2008年8月31日付朝日新聞朝刊9面の『大切な本』というコーナーで、漫画家のやなせたかしがアンパンマンの創作に当たって影響を受けた本としてメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』を挙げています。 科学的に生命を創造するというテーマのこの19世紀…

大きな物語と小さな物語と連鎖式

連作短編ミステリの中には、各短編が長編的なつながりを持っているものがありまして、そうした作品は連鎖式と呼ばれることがあります。 “連鎖式”(中島河太郎氏による命名のようです)は物語を構成する手法の一つです。日下三蔵氏は、“一応は一話完結であり…

合唱オタが非オタの彼女に合唱世界を軽く紹介するための10曲

●アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本 に触発されて書いてみました。 まあ、どのくらいの数の合唱オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、 「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、…

「感想」って難しい

映画『スカイ・クロラ』感想、苦労しました。本来でしたらプチ書評のようになんらかの考察を加えて書いたほうが楽だったのですが、今回は思い切って「感想」として記事にしてみました。 アイヨシも以前記事にしましたが、客観的に考察を加える「書評」よりも…

文学少女に送る「楽して書ける読書感想文」

昨年の隠れヒット記事に、アイヨシの「読書感想文で何を書くか?」があります。「読書感想文 書き方」などでググって来られた方も多いようで、意外とニーズがあることにびっくりしました。 アイヨシの記事は読書感想文論といいながらも実のところネット上の書…

スパムブログとは?

面白い資料を見つけましたのでご紹介。 ●ブログの実態に関する調査研究の結果 総務省情報通信政策研究所(IICP)調査研究部というところが調査したそうです。 内容についてはとりあえずご一読いただきたいのですが、この資料では「スパムブログ」を以下…

個人ニュースサイトを「利用する」ということ

ネットの海を巡回してたら『図書館戦争』に関して気になる記事を見つけたので少々ツッコミを。 そのいちー ●おれたちは図書館戦争についてとんでもない思い違いをしていたのかもしれない - Drive Space 2.5D Maniax コメント欄によればググって調べたりせず…

トラックバックスパムと「記事の転売」

●コメント・トラックバックは「原則として削除」というルールを掲げます[絵文録ことのは]2008/06/22 【関連】ブログ主がわざわざマイルールを表明する理由|ボクノタメニ泣イテクレ > 雑記 なかなか興味深い記事でした。 当「三軒茶屋別館」では良識ある来…

探しています

『図書館戦争』の年表を作っているサイト、どこかにありませんかねぇ? 無ければ週末にでもペソペソ作ります。

『Gallop』は大変なものを小見出しにしました

今週の『Gallop』(競馬雑誌)を読んでたら、こんな小見出しが。 んー。どこかで見覚えが、と思ったら、1年前にフジモリがこんな記事を書いてました。 ●朝日新聞は大変なものを見出しにしました - 三軒茶屋 別館 女神には「ああっ」と「様」*1を付け…

萌えと象徴天皇制

●http://netallica.yahoo.co.jp/news/37946 ネット上に“眞子様萌え”が広がっている。秋篠宮親王の第一王女・眞子内親王は、今年高校2年生になる16歳。そんな眞子様に対して、ネットを中心に「かわいい!」という声が上がっているのだ。 (中略) 当の宮内庁…

森博嗣の編集者考

ガッシュ裁判にちなんでというわけではないですが、森博嗣が編集者についての考察を。 ●http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2008/06/post_1929.php 漫画の世界が、わりとこれに近いと聞く。作家はたいてい若い。また、描ける人間、描きたい人間は…

♪はてな島がーありましてー(例の曲みたく)

Blogopolis(6/12現在) インターネット海に浮かぶはてな島。 さてさて、我が書評サイト「三軒茶屋 別館」はどこにいるのかな? 発見! …。 ……。 ………。 絶望した!書評サイトなのにアニメ村に属していることに絶望した!

読者は解説に何を望むのか?

ひとめあなたに… (創元SF文庫)作者: 新井素子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/05/29メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 35回この商品を含むブログ (54件) を見る 創元SF文庫から刊行された新井素子『ひとめあなたに…』の巻末には東浩紀の解説が付…

トリックと著作権について

21世紀本格宣言 (講談社文庫)作者: 島田荘司出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/12/14メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (10件) を見る トリックと著作権 この問題は、トリックの独自性が明白であれば、その再使用の権限は案出者に独占的…

共同通信の記事が火のないところに煙を立てたんじゃないの?という話。

昨日のジョジョの話の続きです。かなり感情的な記事なので興味のない方はスルー推奨。

ミステリやファンタジーにおける「全能感と無能感」

●主人公は万能感と無能感どちらに溢れているべきか?(日々是良日な日記) 正確に言うのならば、 「万能感溢れる主人公」と「無能感溢れる主人公」とのどちらが好まれるか? という命題としたほうがいいのかもしれないのです。 ネットの海をさまよっててちょ…

岡田斗司夫の次回作を予想する

岡田斗司夫『オタクはすでに死んでいる』を読んで思いついたことをつらつらと。 【ご参考】フジモリの書評 岡田斗司夫『オタクはすでに死んでいる』新潮新書 以前、フジモリは「納得できるが共感できない」と書きましたが、理由が分かったような気がします。…

ファンタジーとピューリタニズムについて

●ピューリタニズムの天職観念と少年漫画の精神 - ピアノ・ファイア それにしても、ピューリタン(清教徒)による宗教的教育の成果とされる「行動的禁欲主義」こそが「近代資本主義の精神」を生んだのだ……、というくだりにはとりあえず納得するとして、しかし…

批評家の視点、一般人の視点。

「アラ探しより“面白い探し”のほうがいいじゃん」 ●マーティ・フリードマン氏(元メガデス・ギタリスト)インタビュー【後編】 昨日に引き続きマーティ・フリードマン氏のインタビューから。 マーティ: あえてはずしたわけじゃないけど、僕のランキングは、…

ライトノベルとJ−POPの共通点

ヘビメタバンドである「メガデス」の元ギタリスト、マーティ・フリードマン氏がJ−POPについて語っているコラムを一冊の本にまとめた『いーじゃん! J-POP だから僕は日本にやってきた』が発売されました。い~じゃん! J-POP だから僕は日本にやって来た作…

『DMC』に見るツンデレと二重人格の違い

月刊『創』5月号は「マンガはどこへ行く」と題してマンガについての特集号となっています。漫画雑誌の部数と単行本の発行部数の関係とかデジタルコミックについてとかTVアニメとの関係などなど。いろいろと興味深い特集となっています。 そのなかで私が面…