QuickJapan「さまぁ〜ずが、最近おもしろい。」

 QuickJapan10月号で「さまぁ〜ずが、最近おもしろい。」という特集が掲載されていました。
 何を隠そう(何も隠していませんが)、フジモリはさまぁ〜ずの大ファンで、さまぁ〜ずに改名してからのライブDVDを全巻所持しています。
 普段TVで見るさまぁ〜ずは、「〜〜かよ!」といういわゆる三村ツッコミと大竹のシュールなボケのみ目立っていますが、ライブのコントは非常に良く練られており、一方で「計算くささ」を感じさせない、非常に面白いものです。*1
 一番好きなコントは大竹のネガティブな曲にプロデューサーの三村がツッこむ「マイナスターズ」なのですが、そのほかにもペットショップやブティックで大竹が変な店員を演じるコントなど、日常の一部分を微妙にずらして笑いに昇華する二人のやり取りはTVでは味わえない面白さがあります。
 今回の特集は、そんな彼らがデビューから現在に至るまでのエピソードを語る、ロングインタビューでした。
 二人それぞれにインタビューを行なっているのですが、一つの事象に対してそれぞれの立場から物事を語っており、またそれが一切ぶれていないところに二人の「コンビの絆」を見た気がします。
 例えば、デビュー早々ブレークしたものの力不足で「大石恵三」というレギュラー番組が打ち切られ、仕事がなくなった「冬の時代」について大竹はこう語っています。

 その頃の三村は、マイクを持った手しか画面に映らないようなレポーターの仕事でも、俺はやると。でも、お前はやるなと。コンビの笑いの部分を担ってるやつが、顔も映んないようなレポーターの仕事とかラーメン食っておいしいですねとかやってたら、コンビとして終わるからって。(p63)

 これはwikipediaにも書いてある有名なエピソードです。一方で三村もこう語っています。

 俺は大阪の局とかいろんなとこでピンの仕事をしてたんですよ。でも、俺はあいつを大切にしたかったんですよ。あいつはひょうひょうとした不思議なキャラだったから、誰にでもできるような仕事はやんないほうがいいんじゃないかって言って。そういう仕事は全部俺がやるから、と。(p75)

 コンビとして20年近く続けながらも互いの方向性がぶれないのは、二人の感性の合致と彼らが置かれた環境、経てきた歴史によるものかと思います。
 また、改名当時のエピソードにもふれております。大竹はインタビューでこう語っています。

 一番でかかったのは『めちゃイケ』ですかね。九七年かな。「笑わず嫌い王決定戦」という企画に出演して。
 本当は、それも出ようか出まいか迷ったんですよね。でも、『めちゃイケ』のスタッフがすごく熱心で、ライブも見に来てくれたし。盆の上に乗っかって出てきて、審査員みたいな人達の前でネタするっていう、俺らにとっては勇気のいる企画だったんですけど、やってみようかって。
(略)
 もともと各局、各番組に仕事は入ってたんですよ。それが、俺らは他の番組の罰ゲームを引きずって、遊びで名前変えてふざけてるって思われたくないから、出る番組はものすごい頑張ったんです。改名で注目されたのと、そこで頑張ったことの相乗効果で、一気に仕事が増えたんですね。それがちょうど、二000年。(p64)

 お笑いに限らず、何かがブレークするきっかけは色々あるかと思いますが、「面白いものを続けていけば結果は必ずついてくる」という当たり前の事実を再認識させられた気がします。
 彼らのお笑い観、自身の現在おかれた立場、そしてこれからのさまぁ〜ずなど、非常に面白い記事でした。
 12月には今年行なわれたライブのDVDも出ますので、TVと違ったさまぁ〜ずを知りたい方は是非ともライブDVDを観て、おおいに笑ってください。*2
「さまぁ〜ずがさまぁ〜ずであるために」(byテレビのスキマさん)
こちらも同記事について考察されています。

コンビ結成から現在までを振り返ったこのインタビューで、なにより驚くのは、この二人の共通認識の多さだ。

 そうなんです。なにかグッとくるものがあるんです。

クイック・ジャパン74 (Vol.74)

クイック・ジャパン74 (Vol.74)

*1:面白さには個人差があります

*2:ちなみに、フジモリのオススメは『SUMMERS LIVE 4』です。先述した「マイナスターズ」や「悲しい俳句」など、さまぁ〜ずの笑いのエッセンスが濃縮されています