『このマンガがすごい!SIDE-B』にて久米田康治先生インタビューが終始ローテンションにて掲載

このマンガがすごい! SIDE-B

このマンガがすごい! SIDE-B

 2008年注目のマンガをランキングにした宝島社『このマンガがすごい!2008』のフォロー版とも呼べる『このマンガがすごい!SIDE-B』が発売されました。表紙は『さよなら絶望先生』・・・って、19位のマンガじゃないですか!絶望した!このマンガがすごい!2008』とあんまり関係ないことに絶望した!
 というわけでメインの特集は『さよなら絶望先生』。まずは登場人物を名台詞とともに紹介です。一見さんにも優しいですね!
 そして久米田康治先生のロングインタビュー。内容は、デビューからサンデーでの連載、マガジンへの移籍、『さよなら絶望先生』アニメ化とこれからについて、などなど。コアなファンには既知かもしれませんが久米田先生の様々な声が聞けて非常に面白かったです。
 例えば、この時期避けては通れない「あの事」については、

 関係ないところでとばっちりがきている人もいるんですよ、ココに。(P30)

 などという素敵なコメントを返していますし、普段きわどい内容を盛り込んでいることについては

 あぶないネタには、2カ所は逃げ道が作れるように意識しています。変な話、”カルト教団”とか書いて、「うちの悪口を言うのはやめろ」という人はいないでしょうから・・・。(P34)

 と巧く地雷を避けながら掲載しているという事実が伺えます。
 単行本の流麗な表紙や芸の細かい小ネタについても、

(単行本に)お金を払っていただくなら、せめてそういうところでがんばっておかないと。(P38)

 とサービス精神旺盛な人柄を知ることが出来ます。
 終始自虐的かつローテンションなインタビューでしたが、中身の濃い内容でした。
 また、インタビューは久米田先生の仕事場で行なわれておりますが、ちょっと変わっていてびっくり。さらに久米田先生インタビュー以外にも、絶望先生全話のタイトルと「何に絶望してるか」が書かれた記事やMAEDAXことアシスタントの前田氏が久米田先生を書いた1ページマンガもあり、大変お得な特集でした。



 また、『さよなら絶望先生』以外の特集としては、『うさぎドロップ』の宇仁田ゆみインタビューや将棋マンガ特集(女流棋士が『ハチワンダイバー』について熱く語ったり、福満しげゆきが「僕のハチワンなダイバー」というエッセイマンガを描いたりしています)、注目漫画家10人にインタビューという記事では『聖☆おにいさん』の中村光にもインタビューされているという、けっこうボリューム満点なムックでした。
 絶望先生目当てで買いましたが意外と(失礼)それ以外の特集も面白く、読みたいマンガが何冊か見つかるなど、大満足の一冊でした。どれかの特集に興味をもたれた方は買って損は無いと思います。オススメです。