これは良い女体化!小川雅史『キン肉マンレディー』

キン肉マンレディー 1 (ヤングジャンプコミックス)

キン肉マンレディー 1 (ヤングジャンプコミックス)

webサイト「ウルトラジャンプエッグ」に掲載されていたweb漫画のコミックスです。
小川雅史×キン肉マン×女体化。
このコンボにちょっとでも興味を持たれた方は買って損なしの1冊です。
物語は、冷凍睡眠から目覚めたミートくんが、キン肉星の「王女」キン肉マンレデイーと出逢うところから始まります。
・・・はい、ここで「キン肉マンレディーって、「マン」とレディー」が矛盾しとるやん!」と突っ込んだ人、アウトー*1。もともと『キン肉マン』という漫画そのものが

本作の特色として、伏線や物語の整合性などを考えず、その場の雰囲気を重視した荒唐無稽な展開の数々が挙げられる。敵のメンバーの中からいつの間にか消えていたり、メンバーに入っていたりする超人、死んだはずの悪魔超人が正義超人となっていつの間にか復活していたり、5人までの団体戦なのに6人で戦ったり、初期の頃は空を飛び、巨大化して怪獣と闘っていたキン肉マンがプロレスではその特技を使わないなど、作中にはかなりの矛盾があり、また「重いものは軽いものより速く落ちる」「地球を逆回転させると時間が元に戻る」「両手に武器をはめ、通常の2倍の高さにジャンプし、さらに3倍の回転を与えると元の12 倍のパワー」など、強引な展開も散見された。そのいい加減さが逆に今もなお愛される所以となっており、作者自身も、「ツッコミ所が多いほうが読者が親近感を持ってくれる」と語っている。
wikipediaより

とあるように、ツッコミどころ満載のマンガですし、あえてそのツッコミどころを楽しむマンガでもあると思いますので、細かいことは気にしないで読み進めれば良いと思います(笑)。
んーで、そのキン肉マンレディーというのが

これは良い女体化。
作者の小川雅史は、『速攻生徒会』『風林火嶄』など、「バトる女性」に関しては定評があり、今回の女体化『キン肉マン』には正に絶妙なキャスティングだと個人的には思っています。
そして、ストーリーは、まさに『キン肉マン』のパラレルワールド
作者はいわゆるキン肉マン世代であり、おまけ4コマでキンケシやらマッスルタッグマッチのネタを出された日には、「そうそう、わかってらっしゃる」と大きく首を縦に振らざるを得ません。
そんな「わかってらっしゃる」作家が描くこの漫画、第2話でテリーマン(作中ではザ・テリーマンガール)が登場したり、超人オリンピックがあってカニベース(作中ではカニベーコ)とジャンケンしたり、ラーメンマン(作中ではラーメン娘(ニャン))がブロッケンにキャメルクラッチしたりと、『キン肉マン』を読んだことがある人なら「史実に沿った」ストーリーに思わずクスリとなると思います。また、ミート君は「実際のキン肉マン」の記憶を持っており、史実との違いを突っ込んだり逆手に取ったりと、「パラレルワールド」マンガという意味でも楽しめます。
おまけに天然のキン肉マンレディーが他の超人たちをメロメロにしていきます。

これは良い百合。
個人的にはキン肉マン世代は読んで損は無いと思いますし、読み終わった後、無性に『キン肉マン』が読みたくなる一冊でした。

*1:ある意味正解でもありますが。