将棋棋士ブロガーそれぞれの”3月”2008年度版
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2008/11/28
- メディア: コミック
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三月の最終局に昇級(降級)をかけた棋士は、この漫画のタイトル通り、ライオンになるのです。
(『3月のライオン』2巻p138の先崎学のライオン将棋コラムより)
棋士にとって対局はすべて大事ですが、なかでも大切なのが順位戦です。文字通り棋士に順位をつけることが目的のリーグ戦は、名人を頂点に、A級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組のピラミッド上のクラスに分けられています。リーグ内の成績如何によって昇級者と降級者が決められますが、一番下のC級2組からフリークラスへと陥落してしまいますと、期間内に規定の成績を収めて順位戦に復帰できない限り引退ということになってしまいます*1。棋士の地位と名誉と生活がかかった大事な棋戦です(参考:順位戦 - Wikipedia)。
先崎八段のコラムにもある通り、順位戦は6月から3月まで行なわれます。3月は棋士にとって単に年度が終わるというだけではなく、来季に向けての自らの所属クラスと順位が決定する特別な月です。今年の3月の順位戦最終局は、A級の3月3日にはじまりB級2組の3月19日で終わりました。そんな棋士たちの3月を実感することができるのが、ブロガー棋士のブログです。
名前 | ブログ | 段位 | クラス | 成績 | 結果 | 最終局に関する記事 | ||||||
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渡辺明(棋士紹介) | 渡辺明ブログ | 九段(竜王) | B級1組 | 7勝5敗 | 残留 | B級1組順位戦12回戦、山崎七段戦。 - 渡辺明ブログ | ||||||
山崎隆之(棋士紹介) | たこやきノート | 七段 | B級1組 | 5勝7敗 | 残留 | たこやきノート: ノート no.2 | ||||||
窪田義行(棋士紹介) | 義七郎武藏國日記 | 六段 | C級1組 | 8勝2敗 | 昇級(来期B級2組) | 第67期C01級順位最終11回戦VS△北島六段結果報告: 義七郎武藏國日記 | ||||||
広瀬章人(棋士紹介) | 広瀬章人の一喜一憂ブログ | 五段 | C級1組 | 8勝2敗 | 残留(次点) | 広瀬章人の一喜一憂ブログ:敗戦 | ||||||
片上大輔(棋士紹介) | daichanの小部屋 | 五段 | C級1組 | 5勝5敗 | 残留 | 昨日の対局 - daichanの小部屋 | ||||||
神崎健二(棋士紹介) | http://www2.diary.ne.jp/user/53924/ | 七段 | C級1組 | 2勝8敗 | 降級点 | ‐ | ||||||
上野裕和(棋士紹介) | ちゅう太ブログ | 五段 | C級1組 | 1勝9敗 | 降級(来期C級2組) | まずは残りの将棋を - ちゅう太ブログ*2 | ||||||
大平武洋(棋士紹介) | http://takehiro511.seesaa.net/ | 五段 | C級2組 | 9勝1敗 | 昇級(来期C級1組) | http://takehiro511.seesaa.net/article/115444868.html | ||||||
戸辺誠(棋士紹介) | 戸辺流ブログ | 五段 | C級2組 | 8勝2敗 | 昇級(来期C級1組) | 戸辺流ブログ 昇級&昇段 | ||||||
遠山雄亮(棋士紹介) | 遠山雄亮のファニースペース | 四段 | C級2組 | 4勝6敗 | 残留 | 中村(亮)五段戦: 遠山雄亮のファニースペース | ||||||
所司和晴(棋士紹介) | c--s.jp | 七段 | C級2組 | 3勝7敗 | 残留 | c--s.jp |
なお、将棋漫画関連ですと、『ハチワンダイバー』の将棋監修をしている鈴木大介八段(棋士紹介)は、谷川浩司九段との互いに勝てばA級残留・負ければ降級の大一番に残念ながら敗れてしまい3勝6敗でB級1組へ降級することになってしまいました。また、『3月のライオン』の将棋監修をしている先崎学八段(棋士紹介)はB級2組ですが、他力ながらも昇級の可能性を残して最終局を迎えました。しかし、競争相手の一人が敗れたものの自身も敗れてしまったため、7勝3敗で残念ながら昇級できませんでした。
私は将棋好きではありますが、さすがにすべての棋士を知っているということはありませんし、その贔屓度にも正直差があります。そんななかで、ブロガー棋士はとりあえず応援することにしています。棋士という立場から情報を発信していただけるのはとてもありがたいことですし、将棋に勝って景気のいい内容の記事をどんどんアップして欲しいとも思うからです。しかしながら、そこは勝負の世界。調子がいいときもあれば、負けが込んでしまうときもあります。そんな勝負の悲喜こもごもが濃縮してしまうのが順位戦です。
今回、こうしてブロガー棋士の順位戦最終局の記事をまとめてみましたが、昇級者もあれば降級者もあって、勝負の厳しさが如実に現れてしまっています。また、窪田六段と広瀬五段はともに昇級残り1枠を争っていましたが、広瀬五段は自力、窪田六段は他力と広瀬五段有利な状況でした。しかし、最終局は広瀬五段負け・窪田六段勝ちとなり、窪田六段の逆転昇級となりました。二人のリーグの成績は同星ですが、リーグ開始前の順位の差によって明暗が分かれることになりました。まさに”順位”戦です。
今期の順位戦によって決定したクラス・順位を元に、来期も順位戦が行なわれます。果たしてどの棋士が来年の3月にライオンになるのでしょうか。『3月のライオン』から将棋に興味を持たれた方はとりあえず将棋ブロガーの1年を追っかけてみるのも面白いと思います。