将棋棋士ブロガーそれぞれの”3月”2008年度版

3月のライオン 2 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 2 (ヤングアニマルコミックス)

 三月の最終局に昇級(降級)をかけた棋士は、この漫画のタイトル通り、ライオンになるのです。
(『3月のライオン』2巻p138の先崎学のライオン将棋コラムより)

 棋士にとって対局はすべて大事ですが、なかでも大切なのが順位戦です。文字通り棋士に順位をつけることが目的のリーグ戦は、名人を頂点に、A級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組のピラミッド上のクラスに分けられています。リーグ内の成績如何によって昇級者と降級者が決められますが、一番下のC級2組からフリークラスへと陥落してしまいますと、期間内に規定の成績を収めて順位戦に復帰できない限り引退ということになってしまいます*1棋士の地位と名誉と生活がかかった大事な棋戦です(参考:順位戦 - Wikipedia)。
 先崎八段のコラムにもある通り、順位戦は6月から3月まで行なわれます。3月は棋士にとって単に年度が終わるというだけではなく、来季に向けての自らの所属クラスと順位が決定する特別な月です。今年の3月の順位戦最終局は、A級の3月3日にはじまりB級2組の3月19日で終わりました。そんな棋士たちの3月を実感することができるのが、ブロガー棋士のブログです。

名前 ブログ 段位 クラス 成績 結果 最終局に関する記事
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 なお、将棋漫画関連ですと、『ハチワンダイバー』の将棋監修をしている鈴木大介八段(棋士紹介)は、谷川浩司九段との互いに勝てばA級残留・負ければ降級の大一番に残念ながら敗れてしまい3勝6敗でB級1組へ降級することになってしまいました。また、『3月のライオン』の将棋監修をしている先崎学八段(棋士紹介)はB級2組ですが、他力ながらも昇級の可能性を残して最終局を迎えました。しかし、競争相手の一人が敗れたものの自身も敗れてしまったため、7勝3敗で残念ながら昇級できませんでした。
 私は将棋好きではありますが、さすがにすべての棋士を知っているということはありませんし、その贔屓度にも正直差があります。そんななかで、ブロガー棋士はとりあえず応援することにしています。棋士という立場から情報を発信していただけるのはとてもありがたいことですし、将棋に勝って景気のいい内容の記事をどんどんアップして欲しいとも思うからです。しかしながら、そこは勝負の世界。調子がいいときもあれば、負けが込んでしまうときもあります。そんな勝負の悲喜こもごもが濃縮してしまうのが順位戦です。
 今回、こうしてブロガー棋士順位戦最終局の記事をまとめてみましたが、昇級者もあれば降級者もあって、勝負の厳しさが如実に現れてしまっています。また、窪田六段と広瀬五段はともに昇級残り1枠を争っていましたが、広瀬五段は自力、窪田六段は他力と広瀬五段有利な状況でした。しかし、最終局は広瀬五段負け・窪田六段勝ちとなり、窪田六段の逆転昇級となりました。二人のリーグの成績は同星ですが、リーグ開始前の順位の差によって明暗が分かれることになりました。まさに”順位”戦です。
 今期の順位戦によって決定したクラス・順位を元に、来期も順位戦が行なわれます。果たしてどの棋士が来年の3月にライオンになるのでしょうか。『3月のライオン』から将棋に興味を持たれた方はとりあえず将棋ブロガーの1年を追っかけてみるのも面白いと思います。

*1:瀬川四段のようなフリークラス棋士にとっては順位戦に参加することが最大の目標ということになります。

*2:最終局前に降級決定。