ブローノ・ブチャラティに学ぶリーダー学(その4)
■ブローノ・ブチャラティに学ぶリーダー学(その1)
■ブローノ・ブチャラティに学ぶリーダー学(その2)
■ブローノ・ブチャラティに学ぶリーダー学(その3)
4日間に渡り「ブローノ・ブチャラティに学ぶリーダー学」と題し講義を行っております。
本日は最終回の講義、「リーダーシップ…仕事の成果をあげ組織を存続させるためには」です。
6.リーダーシップ…仕事の成果をあげ組織を存続させるためには
人材を発掘し、メンバーをマネージメントするだけでは「組織」が機能しません。
やはり、組織のトップがリーダーシップを発揮することが「組織としてのまとまり」、そして「仕事の成果」につながります。
ブチャラティはいかにリーダーシップを発揮して「チーム・ブチャラティ」をまとめたのか?
彼のエピソードから学んでみることにしましょう。
6−1.志を持つ
かつて織田信長は「天下布武」という目標を定め、旗印に書くなどその一貫した強い意志を広く周囲にアピールしました。
当時の戦国時代は自分の国や地方を統一することに手一杯で、明確に「天下を統一する」というビジョンを持ち、それをアピールする武将は織田信長ぐらいでした。この「天下布武」という目標は家臣に大いなるプライドを与え、組織のモチベーションを上げることにつながりました。
部下はリーダーの掲げる旗印を見て、「この人についていきたい」と思うのか、「この人の下ではやっていけない」と思うのかに敏感に反応します。
ブチャラティは、上司である「ボス」が誤っていると思うならば、組織に反抗することも辞しませんでした。
ブチャラティの部下は、家族的な人柄だけでなく、彼が持っている理想、理想を貫き通す強い意志に共鳴し、組織を裏切る彼についていったのです。
6−2.責任はトップがとる
ブローノ・ブチャラティを知る人であれば誰でも知っている名場面があります。
フィレンツェ行きの特急内で敵に襲われた際、ブチャラティはこう言って敵を道連れに列車から飛び降ります。
「『任務は遂行する』『部下も守る』「両方」やらなくっちゃあならないってのが「幹部」のつらいところだな」*1
口先では「部下が大事」と言っていても、いざトラブルがあった場合に部下に責任を押し付ける上司がいます。そのような上司は能力がいくら優秀でも、絶対に部下はついていきません。プレイヤーとしては優秀かもしれませんが、リーダーとしては失格なのです。
リーダーたるもの、部下が何をやっているかを把握するのはもちろん、部下の失敗は自分の責任だという意識が必要です。それが組織の長の役目なのです。
ブチャラティは、「任務を遂行し」「部下を守る」ために躊躇なく自らを犠牲にしました。彼のリーダーたる資質を、如実に現すエピソードだと言えます。
6−3.後継者を育成する
5−2でも話しましたが、「組織」を存続させるためには、後継者が必要です。リーダーのワンマンで組織がまとまっていた場合、リーダーがいなくなった瞬間に組織が瓦解します。リーダーは自身がいなくなった後を見据え組織を作っていかなければならないのです。
ブチャラティは自らの死に際し、ジョルノ・ジョバァーナに自らの意志を託しました。
自身が育てた組織だからといって私有化せず、後継者に渡す英断。
ブチャラティは、最期までリーダーとして大事なことを私たちに教えてくれました。
いかがでしたでしょうか。
全4回にわたり、ブローノ・ブチャラティのエピソードからリーダーに必要な資質について講義してきました。
彼の生き様は現代のビジネスマン、特にリーダーと呼ばれ人の上に立つ方々に対し多くの教訓を与えてくれます。今回講義した以外にも彼のエピソードで学ぶべき部分は多々あります。
未読の方も、既読の方も、今一度彼の活躍を読み、「リーダーとは何か」について学んでいただければと思います。
長きにわたる講義にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。(ぺこり)
*1:53巻、p62