『瑠璃の方船』盤面チェック

 スーパージャンプ2007年8月8日号から『瑠璃の方船』(画:海埜ゆうこ/原:夢枕獏)の連載が始まりました。夢枕獏の同名小説『瑠璃の方舟』が原作です。漫画の方のストーリーはどうなるのか分かりませんが、仮に原作準拠で進んでいくのなら、将棋漫画と呼ぶほどではありませんが、それでも将棋は漫画内でとても重要な役割を占めることになるはずです。ですから、コテコテの将棋漫画とは違った扱いが予想されるのでそれが逆に楽しみです。
 で、相も変わらず将棋ファン的な視点で注目してみたいのですが、『3月のライオン』とは違ってマイナー臭がするので解説しやすいです(笑)。とはいえ、将棋の盤面自体はいくつか出ているものの、全体図が分かるものは一つしかありませんでした。17ページの1コマ目です。

 何となく主人公の誠を先手にしました。後手番コバ(原作による)の中飛車に対して誠が急戦で応じて迎えたと思しき中盤の局面です。現在、ゴキゲン中飛車という戦法がプロアマ問わず流行しているのですが、1970年という時代を考えると、それ以前に指されていたツノ銀中飛車だと思われます。もっとも、素人同士で対局していると、意図しないまま未来の定跡を指しちゃってるときがありますから、確証はありませんけどね(笑)。現局面がどちらの手番なのか分かりませんが、まだまだこれからのいい勝負だと思います。
 今回の連載分を読む限りでは将棋の監修者はいないみたいです。もっとも、部分部分とは言え他の盤面を見ても自然な駒の配置のものばかりなので、作者の将棋についての理解も安心して大丈夫だと思います。
 なお、他の将棋漫画の監修者は以下の通りです。

タイトル 監修者
しおんの王 林葉直子
ハチワンダイバー 鈴木大介
3月のライオン 先崎学

※『しおんの王』の原作者:かとりまさる林葉直子の別名義です(参照:Wikipedia:林葉直子)。ですから、将棋監修の役割も担ってると考えてよいでしょう。
 将棋漫画もこれだけありますし、さらに『しおんの王』は今秋アニメ放送予定です。1996年に羽生善治が七冠を制した”ハブル”時代以来の追い風が将棋界に吹き始めているみたいです(←大げさ?)。将棋ファンとして素直に嬉しいです。

瑠璃の方船 (文春文庫)

瑠璃の方船 (文春文庫)

【関連】『瑠璃の方舟 1』盤面チェックとか