『アヒルと鴨のコインロッカー』文庫化に際しての変更点(序章のみ)
はてなダイアリー初心者が、テーブルタグが使えるのかどうか実験がてら、伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー(注:ネタバレ書評)』の単行本から文庫化に際しての変更点をまとめようとしたのですが、変更点が多すぎです。てなわけで、序章だけで作業を中断しました。やる気ゼロです。
頁 | 単行本 | 頁 | 文庫版 |
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p4 | 腹を空かせて果物屋を襲う芸術家なら、まだ恰好がつくかもしれないけれど、僕はモデルガンを握って、書店を見張っていた。 夜のせいか、頭が混乱しているせいか、罪の意識はなかった。強いて言えば、親への後ろめたさはある。小さな靴屋を経営している両親は、安売りの量販店が近くに進出してきて、あまり良好とは言えない経営状況であるにもかかわらず、僕の大学進学を許してくれた。そんなことをさせるために大学へやったのではない、と彼らが非難してくれば謝るしかない。 |
p7 | 腹を空かせて果物屋を襲う芸術家なら、まだ恰好がつくかもしれないけれど、僕はモデルガンを握って、書店を見張っていた。夜のせいか、頭が混乱しているせいか、罪の意識はない。強いて言えば、親への後ろめたさはあった。小さな靴屋を経営している両親は、安売りの量販店が近くに進出してきたがために、あまり良好とは言えない経営状況であるにもかかわらず、僕の大学進学を許してくれた。一人暮らしの仕送りを出すことを決断してくれた。そんなことをさせるために大学へやったのではない、と彼らが非難してくれば、そりゃそうですよね、と謝るほかなかった。 |
p4 | 車の音もしない。 | p7 | 車の音もない。 |
p4 | 人通りもない。 | p7 | 人通りも皆無だった。 |
p4 | まだ明るいように思えた。 | p7 | まだ明るい。 |
p4 | じめじめとして、 | p7 | じめじめとし、 |
p5 | 古くからある個人経営の店らしい。 | p8 | 古くからある。個人経営の店なのだろう。 |
p5 | 規模なのだろうか。 | p8 | 規模に違いない。 |
p5 | 身体を横にしなければ進めないほどの狭さではなかったけれど、二人の人間がすれ違うことができるほどの幅はない。 | p8 | 窮屈というほどではなかったが、一人の人間が通るのがせいぜい、という幅だった。 |
p5 | 威嚇しているようにも見えた。 | p8 | 威嚇してくるようでもある。 |
p5 | 気のせいかもしれないが、埃や小便が混じったような匂いが漂っている。 | p8 | 埃や小便が混じったような匂いが、空気に滲んでいる。 |
p5 | そうだ、モデルガンを持ち上げなくてはいけない。窓ガラスの位置に、握っているモデルガンを近づけた。 | p9 | モデルガンを持ち上げなくてはいけない。思い出して、慌てて、窓ガラスの位置に、握っているモデルガンを近づけた。 |
p6 | 情けない、と他人事のように思う。ボブ・ディランを口ずさむ。 | p9 | 情けないな、と悲しく思う。 ボブ・ディランを口ずさむ。 |
p6 | 店内から物音がした。僕は驚いて、右足をびくりと動かす。靴が雑草を踏んだ。ぐにゃりと土を踏んだ感触が気色悪く、鳥肌が立った。何でこんなところに来たんだろう。 | p9〜10 | 店内から物音がした。僕は驚き、右足を動かす。靴が雑草を踏んだ。土を踏んだ感触が気色悪く、鳥肌が立った。 |
- 作者: 伊坂幸太郎
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