新城カズマ『15x24イチゴーニーヨン link five 「ロジカルなソウル/ソウルフルなロジック」』集英社スーパーダッシュ文庫

いよいよ完結に向かって収束に向かう『15x24』第5巻です。
誰が鬼で誰が逃げるか、大東京を舞台にした鬼ごっこも最終局面に。
本来ならこの本を読んですぐに感想を書いて6巻に臨むべきでしたが、すみません、一気に読んでしまいました(笑)。
そのためにlink fiveとlink sixとひとつながりのイメージを受けるのですが、link five単体でも物語が起承転結しており面白かったです。
15x24』では、「ゲーム」が効果的に挿入されています。link fourでは野球でしたが、この巻では「マージャン」と「電話ゲーム」。
もともと、『15x24』の導入は東京を舞台にした巨大な「鬼ごっこ」であり、鬼が変わったりルールが変化したり、といった展開で物語の加速度を上げ読者の熱度を上げてきました。
「ゲーム」、そして「ルール」。
まさに、「ルール」の中で生きていくのが「子供」だとすれば、「ルール」そのものに疑念を抱き「ルール」を変えようと努力できるのが「大人」なのだと思います。
「子供」から「大人」に移ろう17歳の主人公たち。
15x24』の物語構造そのものが、「子供」と「大人」との差異、そして「社会」そのものの構造の移し身である点が非常に興味深いな、と思いました。
そして、この長い夜を経て主人公たちの心境も変化していきます。
主人公たちの心境の収束が一人一人進むたびに物語が畳まれていきます。
心の蟠りがとれた人物もいれば、「憑き物」が落ちた人物もいます。
全てを思い出した人物もいれば、全てを忘れたがる人物もいます。
彼ら彼女らの心境の変化はまた、物語にどういう影響を与えるのか。
まずはそのまま、最終巻をご覧下さい。
link one 「せめて明日まで、と彼女は言った」書評
link two 「大人はわかっちゃくれない」書評
link three 「−−−裏切者!」書評
link four 「Riders of the Mark City」書評