私家版2009年文芸本(?)ベスト5
フジモリの今年最後の更新は、「マンガ以外の」本のベスト5です。
【ご参考】
●私家版2009年完結マンガBEST5 - 三軒茶屋 別館
●私家版2009年新連載マンガBEST5 - 三軒茶屋 別館
第5位 宇佐和通『都市伝説の正体』祥伝社新書
都市伝説の正体-こんな話を聞いたことはありませんか? (祥伝社新書159)
- 作者: 宇佐和通
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/04/21
- メディア: 新書
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「物語」とはその成立する仮定ですら「物語」たりえるということを如実に示した一冊だと思います。
●宇佐和通『都市伝説の正体』祥伝社新書 - 三軒茶屋 別館
第4位 瀬川深『ミサキラヂオ』早川書房
- 作者: 瀬川深
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/03
- メディア: 単行本
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『チューバはうたう mit tuba』と同じく、「キャラクター偏重主義」とは一線を画した人物描写とカメラワークを思わせる巧みな筆致はフジモリのストライクゾーンど真ん中でした。
久々に「文体」だけで他の作品が読みたくなる作者に出会えた気がします。
●瀬川深『ミサキラヂオ』早川書房 - 三軒茶屋 別館
第3位 有川浩『シアター!』メディアワークス文庫
- 作者: 有川浩,大矢正和
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/12/16
- メディア: 文庫
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『図書館戦争』もそうでしたが、シビアな問題をエンターテイメントの皮で美味しく包むという調理法はあいかわらずお見事です。
●有川浩『シアター!』メディアワークス文庫 - 三軒茶屋 別館
第2位 米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件』創元推理文庫
- 作者: 米澤穂信,片山若子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/02/28
- メディア: 文庫
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秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)
- 作者: 米澤穂信,片山若子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/03/05
- メディア: 文庫
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詳細はアイヨシが語っていますのでそちらに譲りますが(笑)、完結が楽しみな作品です。
●『秋期限定栗きんとん事件』(米澤穂信/創元推理文庫) - 三軒茶屋 別館
第1位 新城カズマ『15x24』集英社スーパーダッシュ文庫
当blogの読者様であれば予想はついていたかもしれませんが(笑)、1位は新城カズマ『15x24』です。
9月からの4ヶ月6巻連続刊行、twitterを利用したプロモーション、物語世界を再現したARG(代替現実ゲーム)の展開など、ライトノベル史上初ともいえる試みを多々行っており、小説という枠を超えた挑戦は非常に興味深かったですし、物語そのものも「死」を描きつつなお逆説的に「生きる」ことを15人の姿を通して描いた傑作だと思います。
●link one 「せめて明日まで、と彼女は言った」書評
●link two 「大人はわかっちゃくれない」書評
●link three 「−−−裏切者!」書評
●link four 「Riders of the Mark City」書評
●link five 「ロジカルなソウル/ソウルフルなロジック」書評
●link six 「この世でたった三つの、ほんとうのこと」書評
昨年に比べると読書量が落ちたものの、研究記事を多々アップしたりと個人的には満足した年でした。
●音楽サークル漫画のグラデーション - 三軒茶屋 別館
●あずまきよひこの出した「応用問題」(前編) - 三軒茶屋 別館あずまきよひこの出した「応用問題」(後編) - 三軒茶屋 別館
●秋期集中講義 よくわかる「物語工学論」 - 三軒茶屋 別館
また、非常に個人的な話になりますが、ポメラを使い始めたことで隙間の時間を縫った記事更新を行うことが出来ました。実際、ポメラ購入後のフジモリの記事は8割がたポメラで書いています。
もし我が家のポメラが美少女化したなら今年の労をねぎらうため夜を徹してマッサージしてあげたいぐらい大活躍したと思います。
●ポメラニアンへの道 - 三軒茶屋 別館
来年も今年と同じく趣味の本を趣味で取り上げる趣味全開の書評サイトとしてぼちぼちと更新していきますが、読者様が当blogを通じて新たな本との出逢いが一つでもあれば望外の喜びです。
当blogの読者様も来年もまた素晴らしい本たちと出逢えますように。
それでは皆さん、よいお年を。