秋期集中講義 よくわかる「物語工学論」

新城カズマ『物語工学論』は、物語の構造を7つのキャラクター類型で「工学的に」分類するという学術書(娯楽書)*1です。
新城カズマ『物語工学論』角川学芸出版 - 三軒茶屋 別館
本書は「入門篇 キャラクターをつくる」として、古今東西の物語、特に20世紀のエンタテイメント作品を「7つのキャラクター」に分類し、物語作成の構造を説明するというこれまでありそうでなかった学術書だと思います。
著者である新城カズマは『蓬莱学園の初恋!』(新城十馬名義)や『サマー/タイム/トラベラー』、『ライトノベル「超」入門』など、ライトノベルやSF小説など多々著している小説家であり、フジモリも昔からファンの作家なのですが、今作は「物語」を分類し、「物語」を「作成する」手助けをしようというコンセプトで書かれています。
物語工学「論」の名のとおり、学術書を意識した文体はあたかも教授が自説を論ずるかのごとく、豊富な分析データや古今東西の参考文献が「本当にこういう学問を立ち上げても面白いかも」と思わせる内容でした。
とはいうものの本書はまさに基本となる「論説」であり、どちらかというと全体論で書かれています。
というわけで、読者をこじらせたフジモリが本論について「よくわかる「物語工学論」」と題し*2具体例を展開しながらご紹介したいと思います。
なお、講義に際し、本書の内容をフジモリなりに消化・解釈し、簡略した箇所も多々ありますのでご了承ください。
イメージとしては、空き教室で行われている秋期集中講義のような感じで。口調もやや先生チックに。
不定期ながら、以下内容での講義を予定しています。
0.「物語工学論」概論(9/7講義)
1.さまよえる跛行者(9/10講義)
2.塔の中の姫君(9/15講義)
3.二つの顔をもつ男(9/19講義)
4.武装戦闘美女(9/23講義)
5.時空を超える恋人たち(9/27講義)
6.あぶない賢者(10/3講義)
7.造物主を亡ぼす男(10/7講義)
8.補講(10/21講義)

次回から講義に入りますので、各自テキストである『物語工学論』をしっかり読んでおいてください。ではまた次回。

物語工学論

物語工学論

*1:実用書

*2:よくわからなかったらごめんなさい