私的囲碁漫画ベスト5
突発的に私的囲碁漫画ベスト5のご紹介ー。今回は順位も付けてみました。基準は”囲碁度”です。それではどうぞ。
(以下、長々と。)
1位:『ニャロメのたのしい囲碁入門』
- 作者: 赤塚不二夫
- 出版社/メーカー: 日本棋院
- 発売日: 1984/01
- メディア: 単行本
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いきなりこんな本の紹介でサーセンwwwwwww
今回のベスト5は”囲碁度”というのを基準にしているのですが、それはつまりこういうことです。いや、本当にすいません。とはいえ馬鹿にしたものでもありません。本書は、私が子供の頃に囲碁を覚えるのに使った本です。その内容はまさに囲碁の入門書。赤塚不二夫の漫画のキャラクターが総出演で、ニャロメが先生になってバカボンやバカボンのパパ、おそ松くんたちに囲碁を教えるというものなのですが、漫画と入門書のバランスが絶妙でとても分かりやすく囲碁のルールを覚えることができます。囲碁というのはとても奥の深いゲームではありますが、それでいてルール自体は将棋やチェスよりもずっと簡単です*1。なので、本当に本書を一冊読んだだけで囲碁のルールを完全にマスターできて、さらには実際に打てるまでになってしまうのです。もちろん、そこからさらに上達しようと思ったらそれなりの定石書を読まなくてはいけませんが、ルールだけなら本書一冊で十分です。惜しむらくは現在は入手困難になってしまっていることですが、囲碁の入門書として個人的には今でもオススメの一冊です。
2位:『入神』
- 作者: 竹本健治
- 出版社/メーカー: 南雲堂
- 発売日: 1999/09/01
- メディア: コミック
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ちなみに、本書の執筆過程は『ウロボロスの純正音律』という作品でメタ的に語られていますが、本書は囲碁漫画として完結したものになっていますので、そうしたものを併読する必要はまったくありません。むしろノイズです。もっとも、そうしたこととは別に興味を持った方がそれらを読むのは別に全然構いませんし、また、牧場智久の探偵としての活躍に興味がある方には、とりあえずの一冊目として『囲碁殺人事件』をオススメしておきます*3。
- 作者: 竹本健治
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 文庫
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- 作者: 竹本健治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/22
- メディア: 単行本
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3位:『碁娘伝』
- 作者: 諸星大二郎
- 出版社/メーカー: 潮出版社
- 発売日: 2007/06/25
- メディア: 文庫
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囲碁というのは基本的には陣取り合戦です。しかし、相手の石を囲んで取る=殺すこと、すなわち、石の生死によっても勝敗が決まることもあります。なので、囲碁の話をしているときには、まるで殺人事件の話をしているかのような物騒な単語が飛び交うことがままあります。本書に登場する美女・碁娘の活躍には、そんな囲碁の物騒な側面が巧みに表現されています。
清廉な者を助け復讐のために剣を振るい囲碁を打つ女。こう書いてしまうと、剣が蛮勇を、碁が知性を象徴しているように思われるかもしれませんが、そうでもありません。本書で碁娘の復讐の対象となる者たちはそれぞれに碁を打ちますが、碁打ちだからこそプライドを、あるいは好奇心を刺激されて、結果として碁娘の術中に嵌ってしまうのです。その意味で、剣士として碁娘と敵対することになる呉壮令の方が余程理性的です。囲碁というゲームが持っている謎の奥深さや妖しさといったものが碁娘を通じて表現されています。
作中に登場する盤面の正確性については私程度の腕前ではまったく判断できませんが(誰か教えてください)、石の死活や征(シチョウ)といった囲碁の問題が物語にも絡んできてますから、囲碁に詳しい方にもまずは楽しんでもらえると思います。
4位:『ヒカルの碁』
- 作者: 小畑健,ほったゆみ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/02/04
- メディア: コミック
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有名漫画ですから今更ここで語る必要もないでしょうが、それでもあえて語るとすれば、一人の少年の成長物語と絡めて囲碁棋士になるまでの過程とその厳しさを描いたこと、さらには、棋士になることがゴールではなく、その先の無間地獄ともいうべき棋士の宿命を未来への希望として謳い上げた点が個人的には素晴らしいと思っています。
5位:『小林クンちのお部屋事情』
- 作者: 凪妖女
- 出版社/メーカー: メディエイション
- 発売日: 2008/12
- メディア: 単行本
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以上、”囲碁”漫画ベスト5を紹介してきましたが、次点はありません。なぜなら、私が他に囲碁漫画を知らないからです(ただし入門書はのぞいて)。『花右京メイド隊』の囲碁部とか『魔法先生ネギま!』のエヴァンジェリンの趣味が囲碁だとかが思いつく程度ですが、それではとても囲碁漫画とはいえません(笑)。他に何かありましたらご教示いただければ幸いです。
将棋も決してメジャーな趣味とはいえませんが、それでも漫画のジャンルとして囲碁よりは充実しています。理由はよく分かりませんが、まだまだ開拓の余地のある分野だと思うので、ひっそりと期待しています。