マンガナツ100コメント(その2)
漫画ナツ100(フジモリ@三軒茶屋の場合) - 三軒茶屋 別館
コメントその2です。
16)それでも町は廻っている/石黒正数
下町にあるメイド喫茶を舞台にした一話完結形式の分類不能コメディ。
主人公・歩鳥のバカっぷりを楽しむもよし、効果的に配置されたギミックの妙を満喫するもよし。
17)イエスタデイをうたって/冬目景
フリーター・リクオとカラスを連れた少女・ハルを中心にした「51%後ろ向き」な恋愛マンガ。
数ある冬目景作品の中で一番好きなマンガ。「等身大の恋愛」を読みたい人にオススメ。
18)サトラレ/佐藤マコト
考えることが周囲に知られてしまう「サトラレ」たちを主人公とした連作短編マンガ。
序盤は「サトラレ」と彼らを取り巻く「サトラレ対策委員会」とのドタバタを描くコメディだったが、徐々にシリアス路線にシフト。「サトラレ」という新種と「人間」との共存という新たなテーマにも注目したい。
19)銭/鈴木みそ
子供の幽霊・チョキンたちを主人公に、「お金」を軸に様々な業界を扱った業界マンガ。
丁寧な取材に裏打ちされた生々しい、しかし普通は聞けないような話が盛りだくさん。作内でとりあげた「枕営業」などが実際に発覚しているところを見ると、「事実はマンガより希なり」と思ってしまう。
20)パノラマデリュージョン/小原愼司
幽霊が見える女子高生リン子たち警視庁心霊犯罪捜査課の「心霊犯罪捜査官」が繰り広げる幽霊退治マンガ。
物語内世界の「幽霊」の設定が秀逸。幽霊ものですが全く怖くありませんのでホラー苦手な方にもオススメ。
21)SOUL EATER/大久保篤
死神武器職人専門学校、通称『死武専』で繰り広げられるスラップ・スティック・ファンタジー。
「職人」と「武器」のツーマンセルにより、単なる異能バトル・アクションにプラスアルファされた面白さがある。意外と「努力」「友情」「勝利」とジャンプマンガしている。
22)無限の住人/沙村広明
不老不死の侍・卍と両親を目の前で殺された少女・凛の復讐劇を圧倒的な筆致で描くネオ時代劇。
躍動感・疾走感溢れる剣戟は手に汗握る。物語も最終章に突入。完結まで目が離せない。
23)ヒストリエ/岩明均
マケドニア王国のアレクサンドロス大王に仕えた書記官エウメネスの波乱の生涯を描いている大河歴史マンガ。
比較的マイナな歴史上の人物の生涯が丁寧な書き込みで淡々と描かれている。歴史ものが好きな人は必読。
24)不思議な少年/山下和美
永遠の生を持つ少年がさまざまな時代の人と出会いながら、「人間とは何か」を問いかけるヒューマンドラマ。
さまざまな時代・場所を舞台にしているが、「人間とは何か」の答えを探し求める少年の姿に読むものも考えさせられる。読むのにエネルギーを要する、「パワー」を持った名作。
25)とめはねっ!/河合克敏
私立鈴里高校に入学したカナダ帰りの帰国子女・大江縁が部員不足により廃部の危機に瀕した書道部に無理矢理入部させられ…という文化系コメディ。
書道という動きも少なくマイナなジャンルだが、作者の実力により読み物として非常に面白い。読むと書道の奥深さがわかる。
まだ4分の1かぁ。続きます。