別館号外さんちゃ0091号

図書館裁判〜決戦!オフィス・ターンvs世相社
 有川浩『図書館危機』の第三章「ねじれたコトバ」内で行なわれた訴訟の法律的なシミュレーションです。訴状や答弁書がとてもリアルな形式で書かれていますので、普段法律に馴染みのない方でも、本書を既読であれば法律問題がどのように法廷に持ち込まれていくのか、この記事をお読みになれば理解しやすくなると思います。
 『図書館危機』の問題はronnorさんに是非取り上げて欲しいなぁ、と実はひっそり思っておりましたので(笑)、私も大変興味深く読ませていただきました。作中では、高裁判決の和解内容(p168)ということなので判決なのか和解なのかよく分かりませんが(笑)、仮に判決を書くとしたら私も違憲判決にするしかないと思ってました。しかしそれは確かに裁判官にとってかなりのリスクだと思います。あの物語内の世界だと特に。
 それにしても、具体的な条文が作中ではほとんど出てこないにもかかわらず、今回のネタのためにメディア良化法という架空の法律の再現を、かなり細かい部分まで試みられたronnorさんのこだわりには尊敬の念を覚えます。
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