「ダ・ヴィンチ」ジョジョ特集号はジョジョラー必読な件。

ダ・ヴィンチ 2012年 08月号 [雑誌]

ダ・ヴィンチ 2012年 08月号 [雑誌]

 本の雑誌ダ・ヴィンチ」が初めて「漫画家」を表紙とした記念すべき号。
 その姿は52歳にして若く、常に「波紋で若返っている」「いいや、生命力を吸い取っている」「お前は今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」と噂されている荒木飛呂彦先生御大と「岸辺露伴」のツーショットが表紙のダ・ヴィンチ8月号を読みました。
 特集は「JOJO=JAPAN」。
 これまで他の雑誌でも数多くのJOJO特集が書かれてきましたが、「ダ・ヴィンチ」の特集はまた違ったアプローチで、非常におもしろかったです。

対談:荒木飛呂彦×尾上菊之助

 歌舞伎役者・尾上菊之助との対談です。ジョジョファンという下地はあるものの、対談でありがちな「荒木先生をリスペクトしすぎてインタビューみたいになってる」感じではなく「一線級のプロ同士、双方が認めあっている」雰囲気があり非常に興味深かったです。
 対談の中で語られる「血族」についての話や歌舞伎とジョジョの「共通点」など読みごたえのある対談でした。

JOJO×Japanese Creators

 彫刻家・名和晃平、アーティスト・清川あさみ書道家武田双雲らが「JOJO」を表現します。
 個人的には武田双雲の作品がぐっときました。
 「誇」という漢字が、

ジョジョの奇妙な冒険 46 (ジャンプコミックス)

ジョジョの奇妙な冒険 46 (ジャンプコミックス)

 というビジュアルに重なる、まさに書と画の融合を感じました。

JOJOの底流にあるJapaneseSoulを読み解く

 「ビジュアル」「古武道」「血族」「女性観」の観点から語られる「JOJO」。今回の特集は「日本とJOJO」という内容ですので若干こじつけている部分もあるかなぁと思いましたが(笑)、おもしろい切り口です。

いま胸に刻みたいJOJO語録

 元祖JOJO芸人ケンコバをはじめとする、ほぼおなじみの顔ぶれが好きなJOJO語を紹介しています。
 「好きなJOJO語」というのは「にわかと呼ばれないぐらい適度にマイナーで、なにそれ?と言われないぐらい適度にメジャー」な絶妙なバランスを必要とする難易度の高い質問なのですが、乙一のセレクトなどはなかなか渋くてよかったです。

荒木飛呂彦ロングインタビュー

 第8部を中心に、「人間賛歌」というキーワードに切り込んだ良質なインタビュー。

人間が人間の問題を解決するという意思の表明が、人間賛歌ってことなんですよ

 名言、いただきました。



 表紙含め、これまでの「漫画としてのJOJO」とはまた違った切り口での「JOJO特集」で、非常に満足しました。
 個人的には保存用にもう一冊買ってもいいかな、などと思ったほどですが、まさに荒木先生のスタンド攻撃を食らっているのかもしれません(笑)。ジョジョラーは必読です。