<超ネタバレ>極私的・舞城ジョジョ=舞JOJOの感想。

 超ネタバレですが、舞城王太郎『JORGE JOESTAR』を読んだ感想。
 「西暁町」出身で、「ジョースターの家系ではない」、そして、だからこそ「予測されることがない」という自らの特異を活かし「ジョジョ」の血族に貢献する。
 これはまさに「西暁町を舞台とする小説を書き」「これまで『ジョジョの奇妙な冒険』とまったく接点のなかった」人物=「舞城王太郎」そのものを表しているのだと思います。
 ジョジョと全く縁もゆかりもない「自身」がその特異点を活かしジョジョワールドとの融合を図ったこと、つまり『JORGE JOESTAR』という作品が、舞城王太郎と「ジョジョ」の関係そのものを意味しているのだと受け取りました。
 他作品『九十九十九』にあったような「作者ネタ」を出さず(荒木先生を登場させず)、最後の一文で自らの名前「城」の一文字を西暁町のジョージ・ジョースターに重ね「ジョースターと家族になる」ことを書いたことからも、作者の「ジョジョ」に対する敬意がうかがえます。
 舞城ワールド全開で「スーパーJOJO大戦」チックなトンデモな内容でありながら、しっかりと「ジョジョに対する敬意」が散りばめられている、まさに「ぼくは敬意を表するッ!」とでもいえる作品だと思っています。
まさに「キラークイーン級」の超怪作 舞城王太郎『JORGE JOESTAR』
舞城王太郎『JORGE JOESTAR』がいかにハチャメチャで、ハチャメチャでありながらも「JOJO」であるかについて語ってみる。(ネタバレ書評)

JORGE JOESTAR

JORGE JOESTAR