古き良き「ゲーセン」の雰囲気を満喫できる一冊 江崎ころすけ『げーせん』宙出版

げーせん (ミッシィコミックス)

げーせん (ミッシィコミックス)

webマガジン『Next comic ファースト』で連載されていたゲーセンコミックが単行本化されました。
やとわれ店長の兄に頼まれ、ゲームセンターXXのアルバイトを始めた主人公・沢田ナオミ。ゲーセンの裏側を知り、常連客と仲良くなりながら、アルバイトとして一人前に成長していくお話です。
昨今のゲーセンはどちらかといえば二極化が進み、大型筐体が多数おいてあるアミューズメントパークに近いものと、狭いスペースにストイックに十数台のゲーム(レゲー多し)が置いてある昔ながらの「ゲーセン」にすみ分けられている(あるいは淘汰されている)感もあります。
フジモリのようなレトロな人種としては「不良の溜まり場」から「アミューズメントパーク」への変貌を目の当たりにしてるわけですが、懐古厨といわれようが古き良きゲーセンにノスタルジックな感情を抱いたりもします。100円入れた瞬間に天和あがられてゲームオーバーになったり、3画面筐体という派手さにびっくりしたり、覇王丸の強斬りで7割近くライフが削られたり、そういえば指を触れて脈を取られながらプレイするときメモなんてのもあったなぁ。。。とぽんぽん思い出話が出てくるほど、ゲームそのものはあまり得意ではないものの「ゲーセン」という場所が好きだったことも事実です。
このマンガ『げーせん』も、古き良きレイアウトのゲーセンが舞台となっています。

アルバイトとして働く主人公・沢田ナオミが周りの人にゲーセンの裏事情を聞きながら一人前になっていくところなどは、いわゆる業界裏話エッセイマンガのような趣もありますが、絵柄含め非常にまったりとしており、読んでいて非常にほっこりした気分になれます。
それはまた、ゲーセンという場所そのものが持つ(あるいは持っていた)一種独特の雰囲気を読者に思い起こさせるからなのかもしれません。
作者も編集者もゲーセンバイト経験者という筋金入りの「ゲーセン」好きによるコミック、「ゲーセン」の雰囲気を「懐かしい」と感じられる人なら読んで損はないマンガだと思います。
【ご参考】
http://nextcomic1.blog78.fc2.com/blog-entry-63.html