漫画家と編集者との関係に一石を投じ・・・ません。 魔神ぐり子『楽屋裏』

楽屋裏 (1) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

楽屋裏 (1) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

 魔神ぐり子『楽屋裏』は月刊ZERO−SUMに連載されているギャグ漫画です。
 日々の編集とのやり取りや出来事を、ハイテンションなノリとたまに入る毒、ペーソス漂う自虐ネタなどを絡めテンポ良くまとめています。
 作者が女性とは思えないほどの暴走っぷりや、一方で毒と自虐との絶妙なバランスもあり、非常に面白かったです。
 特に編集とのやり取りが秀逸。編集者の小柳さんを

 このように剣道の「面」をつけて書いています。漫画の中では「締め切り守れ」「原稿料上げろ」など生々しい(笑)、喧々諤々のやり取りを行っているのですが、当の小柳さんはと言うと、2巻のオビで

 と、自らノリノリで写真撮影。他にもネタにされていることを喜んでいる、というネタもあり、どっちもどっちの暴走っぷりがまたおかしいです。
wikipediaにも

実際に行われるやり取りはどうやら作品中と大差はないらしく、実際に魔神とのやり取りをみた人たちからは「生楽屋裏見ちゃったよ!」とまで言われたほど。

 と書いてあり、特に編集とのやり取りは半ば実録に近いものがあるのではないかと思いました。
 ガッシュ裁判の件で「編集者」に対しネガティブなイメージが湧いている人もいるかもしれませんが、この漫画のように、漫画家と編集との、まさに「仲良く喧嘩しな」な良い関係もあるなあ、と改めて感じました。オススメです。

楽屋裏 (2) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

楽屋裏 (2) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)