別館号外さんちゃ0050号
古野まほろ『天帝のはしたなき果実』読了。後日プチ書評書きます。
初読の感想は「文化系舞城王太郎」ですかねぇ。賛否両論激しい小説だと思います。
ネットをがさっと回ったところ殆ど否定的な意見でしたが(否定9:やや擁護1ぐらいの割合)、ミステリィという先入観で読んだ人ほどダメージが大きいようです。
新城カズマ『無謬邸は暁に消ゆ』より。
「すべては疑い得ると豪語している、あの『読者』と呼ばれる特権的一族でさえ、必ず何かを信頼している。いや、信頼せざるを得ないのだ。
なぜなら、本当に全てを疑ってしまったら話が面白くならんからだ。そして読者にとっては、それこそはゆずることのできない、最低限の一線なのだ」
で、『天帝のはしたなき果実』は「ジャンル」と呼ばれる最低限の一線を軽々と飛び越えた本なのかな、と。
●2007年本屋大賞ノミネート作の発表!
ノミネート作は以下の通り。
『一瞬の風になれ』 著/佐藤多佳子(講談社)
『失われた町』 著/三崎亜記(集英社)
『陰日向に咲く』 著/劇団ひとり(幻冬舎)
『風が強く吹いている』 著/三浦しをん(新潮社)
『鴨川ホルモー』 著/万城目学(産業編集センター)
『終末のフール』 著/伊坂幸太郎(集英社)
『図書館戦争』 著/有川浩(メディアワークス)
『名もなき毒』 著/宮部みゆき(幻冬舎)
『ミーナの行進』 著/小川洋子(中央公論新社)
『夜は短し歩けよ乙女』 著/森見登美彦(角川書店)
フジモリの本命は『図書館戦争』、対抗は『陰日向に咲く』ですかね。
これまでの傾向からクセのない作品が残りそう。
『一瞬の風になれ』『風が強く吹いている』は似たような題材なので票が割れるかと。
一応、競馬予想よりも自信あります(笑)。
【関連】有川日記(1/22)
「ノミネートされただけでもすごかったよ! おめでとう!」
と担当さんには既にイベントが終わったかのようなお祝いの言葉を頂きました。何かうちの編集部ではもう清々しく甲子園の砂を持ち帰るかのごとき感触のようです☆