『レインツリーの国』(有川浩/新潮社)

 『図書館内乱』とのコラボ本ですが、内容的には独立していますので、こっちだけ読んでも問題ないです。
 中途失聴・難聴をテーマにした恋愛もので、自衛隊とかはまったく出てきません。意外でした(笑)。
 恋愛ものは苦手な分野ですがそれでも比較的すんなりと読めたのは、確かに恋愛ものではあるのですが、難聴者と健常者とのコミュニケーションが綺麗ごとじゃなしにしっかりと描かれていて、目から鱗だったり納得したりと、とても考えさせられるものだからだと思います。ってゆーか、恋愛ものとしては正直中途半端ですよね。そこが個人的には良い点だと思いますが。
 二人が出会うキッカケが、ネット上のサイトによるライトノベルのレビューなのですが、これはちょっとだけ共感できます。アイヨシがこの書評サイトをやろうと思った大きな理由は、『ザンヤルマの剣士』の書評を書きたいというものでしたから。今でこそ日の目を見ているラノベですが、その当時はごく近い仲間内でしか話をすることができませんでした。だからこそ、需要があるかどうかは関係なしにネットという得体の知れない情報の大海に気持ちをぶちまけてみたいと思って書いたわけですが(笑)、アクセス解析を見るとちょくちょくアクセスがあったりするので、書評を書き続ける上で、実は密かなモチベーションになってます。
 とか言いながらここ一ヶ月書評を書いてません(汗)。『七姫物語』の書評にエネルギーを使いすぎたせいですが、そろそろ何とかしないと……。一応、『星降り山荘の殺人』(倉知淳講談社文庫)と『顔のない敵』(石持浅海/カッパ・ノベルス)のつもりでいます。どうぞお見捨ておきなく……。

レインツリーの国

レインツリーの国