とあるミステリ作家の野球語録

落合博満のバカヤローッ! 頭にきたからもう寝る(11/1)。



 中日ドラゴンズファンの皆さん、53年ぶりの日本一おめでとうございます。

 しかしながら、山井が8回までパーフェクトピッチングだったのに、9回表の頭から岩瀬に代えた落合采配は絶対納得できない。
 山井がヒット打たれたり、四死球出したら代えりゃいいじゃねえか。ホームラン打たれたって同点だよ。負けたってまだ3勝2敗だろうが。
 こういうのは非情ではなく、臆病という。だめだなー落合。



「ファンサービスって何だろうと考えると、やっぱり勝つこと。それが我々にできる唯一の方法だと思う」
 という落合の発言を比較的好意的に受けとっていたわたしだが、まさか日本シリーズ完全試合というすばらしい記録よりも勝ちを優先するとは思わなかった。完全試合で日本一なんて、かっこいいじゃないか。わくわくするじゃないか。
 落合はそう思わないのかね? すばらしい野球選手だったのに? わからんなー。

 きっと明日からすぐに、落合采配を「勝ちにこだわった指揮官の決断」などと擁護したり、へたしたらほめたたえる人が出てくると思うけど、オレはそういうやつらを信用しないね。
 勝つことだけがファンサービスだとしたら、球場に行ったり、テレビ中継を見たりする必要はなく、スポーツ新聞の勝敗表だけ読んでいればいい。プロ野球人気が凋落するのも当然だ。

ムカつきすぎて眠れないから、落合博満の弁明を考えてみた。
 まず「絶対に勝たなければならなかった」というのはだめね。3勝3敗の第7戦ならまだしも、さっき書いたとおり、負けたって3勝2敗だ。「ここで負けて札幌に行くと流れが変わる」なんてインチキ予言も不可。
「53年ぶりの日本一だから地元で決めたかった」もだめだろうなあ。山井続投で負けたとしても、地元ファンは納得するだろう。
「山井自身がもう限界だと言った」なんてことは、そもそもあり得ない。仮に言ったとしても、「なに言ってるんだ。こんなチャンスは二度とない。思いきって投げてこい!」と叱咤激励すべきだよ。
 結局「山井程度の投手に完全試合ができるわけがないと思った」ってことなんじゃねえの? はっきりそう答えたら落合はある意味偉い。

 オレが山井だったら、ビールかけのときにつまずいたふりして落合をビール瓶で殴るね。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/mercysnow/LinkDiary/links0711.html#yamai

 殊能先生かなりご立腹です(笑)。
 私もこの投手交代には驚きました(党首交代ほどではありませんでしたが←上手いこと言ったつもり)。ただ、殊能センセの見方とはちょっと違います。8回までの山井のピッチングは素人目に見ても完璧でした(パーフェクトなので当たり前ですが)。こうした完璧なピッチングをしている中で、いくら岩瀬とはいえ交代してしまうことによって流れが変わってしまうのではないか、日ハムからすれば好機なのではないか、という懸念が私の中にありました。ですから、山井をそのまま投げさせるんじゃないかなぁ、と思ってました。そこでの交代なので驚きました。ただ、パーフェクトがかかった場面だとどうしても守ってる野手が固くなっちゃいますよね。そうしたことを考えると、岩瀬に代わってくれた方が守る側は楽なのかなぁ、とか、岩瀬への信頼は絶対なんだなぁ、とか考えるうちに上策だと思えるようになりました。
 もっとも、パーフェクトという記録の素晴らしさは確かにありますし、それを回避したことへの非難は分からなくもないです。将棋で例えれば、鮮やかな寄せがありそうな場面でそれを指さずに自陣に手を入れることで勝利を確実にした手、いわゆる「友達をなくす手」のようなものだと言えなくもありません。ま、こんな冷めたことを考えちゃう時点で、私には勝負の美学というものがいまいち理解できていないということになりそうですが(笑)。
 それにしても、底意地の悪いミステリを書いている(あえて現在形)ことで知られる殊能センセがここまで熱く語っているのを見ると、殊能ファンとしてはなんか嬉しいことではありますね(笑)。
【関連】http://www001.upp.so-net.ne.jp/mercysnow/殊能将之のホームページです。)