『幻想ギネコクラシー』 1巻

幻想ギネコクラシー 1

幻想ギネコクラシー 1

 沙村広明の短編集。
 ノリはこれまでの短編集と同じく奇妙奇天烈なお話だらけだが、あとがきにあるように「メタネタ」「時事ネタ」を取り除いた結果、これまで以上に作者の奇想天外な「発想力」とその発想を具現化する「表現力」の凄さが浮き彫りになったように思える。
 「奇想天外な発想力」と「地に足ついた表現力」を両方兼ね備えた漫画家という意味では個人的に九井諒子を思い浮かべるが、彼女の作品に負けず劣らず。それに加えて「笑いのツボ」がフジモリに嵌まっているのでコメディものではしっかりと笑ってしまいました。
 『無限の住人』からさらに進化した沙村広明を堪能できる珠玉の作品。現時点で2014年マイベストです。