原鮎美『でこぼこガーリッシュ」エンターブレイン

でこぼこガーリッシュ 1巻 (ビームコミックス)

でこぼこガーリッシュ 1巻 (ビームコミックス)

 日常+微百合+4コマという「あずまんがの法則」(←フジモリ命名)は10年以上前より4コママンガの世界で売れる鉄板の方程式として活用されてきたかと思います。(ここまであえてコピペせず手打ち)
 というわけで今回読んだのは原鮎美の『でこぼこガーリッシュ』。高身長で美青年に見られる凸な女の子、天野織子と子供に間違われる凹な女の子、小池夏生のゆるゆるとした日常4コマです。
 お約束の「間違われネタ」に始まる、常に「年の差カップル」あるいは「兄妹」に間違われる二人。もはや様式美に近いところもありますが、二人のつっこみが心地よいのは作品に通底するゆったりとした雰囲気が理由でしょう。

 傍目、年の差カップルに見える女の子二人の間柄は、「互いが互いを思いやる」という当たり前の、それでいて「当たり前だからこそ珍しい」関係。その「気づかれないようにする気遣い」に読者はほっこりとするわけです。
 この凸凹二人組を中心に、古典芸能研究サークルの一癖もふた癖もある部員たちや彼女らの身内(シスコン兄ーズ)も登場する、なんともオーソドックスな作品です。
 刺激的な作品をお求めの方には向かないかもしれませんが、癒し、安心をお求めの方はぜひぜひご一読いただきたい一冊です。