里見香奈女流名人・女流王将・倉敷藤花、奨励会1級編入試験に合格
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- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/03/23
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自分メモついでに関連記事のまとめ記事的なものをば。
・里見香奈女流名人・女流王将・倉敷藤花が奨励会1級編入試験を受験 ‐ 日本将棋連盟
・里見香奈女流名人・女流王将・倉敷藤花、奨励会1級編入試験の結果 ‐ 日本将棋連盟
・里見香奈女流名人・女流王将・倉敷藤花、奨励会1級編入試験に合格 ‐ 日本将棋連盟
この件についてプロ棋士のブログでの反応は以下の通り。
渡辺明竜王
男性棋士にも少しづつ勝てるようになってきていますし、初段〜二段以上の力はありそうですが、その動向に注目が集まります。女流棋士と奨励会はどちらか一本という決まりでしたが、タイトル3つを返上というのは大変なことなので、特例として兼業を認める方向のようです。
里見さんの奨励会受験とか。 - 渡辺明ブログより。
里見さんの実力は奨励会初段以上だと思っていますが、プレッシャーの掛かる試験将棋で全勝というのも難しいので、概ね順当な結果が出たのではないでしょうか。大変なのはこれからですが、頑張って欲しいです。
運動会とか。 - 渡辺明ブログより。
片上大輔六段
特例づくしのやり方にはいろいろな意見・感想があると思いますが(僕もあります)何より20歳が近くなってきて、しかもタイトルを次々と取っているさなかに奨励会で指したいと言ったことが驚きです。
女流 - daichanの小部屋より。
特例ではない編入制度とは以下のようなものです。
■プロ編入試験
1.受験資格
・現在のプロ公式戦において、最も良いところから見て10勝以上、なおかつ6割5分以上の成績を収めたアマチュア・女流棋士の希望者。
・プロ棋士(正会員)の推薦のある者。
2.試験要項
・棋士との5番勝負
*試験官は新四段5名を棋士番号順に選出。
*5対局中3勝で合格、フリ―クラスへの編入資格を得る。
日本将棋連盟 編入制度 ‐ 日本将棋連盟より。
橋本崇載七段
2、合格した場合は女流棋戦と2足わらじの特例、これは複数もっているタイトルとの兼ね合いがありやむを得なかったか。
しかし、プロの養成機関で修行している者が将棋連盟の正会員であり棋士総会にも出席するという矛盾が生じる、これでよいのだろうか。
http://blog.livedoor.jp/hassy_blog/archives/51772558.htmlより。
女流棋士の正会員への加入については次のように定められています。
正会員には女流棋士(四段又はタイトル経験者)も加入が認められました。
臨時総会について ‐ 日本将棋連盟
田丸昇八段
この件についてもっとも精力的に記事を書いてくださっているのが田丸八段です。
里見は盤上で活躍するとともに、女流棋界の若きスターとして盤外でも人気を呼び、メディアに注目されたり写真集が刊行されました。獲得する年間の賞金・対局料も、女流棋士としては大台となる1000万円に近いようです。
特例の奨励会編入試験を受けて女性初の「棋士」をめざす里見香奈女流三冠: 田丸昇公式ブログ と金 横歩きより。
これだけの対局料を得ていながらあえて”棋士”に挑戦しようとする姿勢にはやはり驚きです。
里見が奨励会に入会して四段に昇段すれば、初の「女性棋士」が生まれます。しかしそれに至るまでの道程は、厳しい三段リーグが象徴するように、きわめて長く険しいものがあります。過去の例では7人の女性が奨励会で修業しましたが、最高位は1級でした。
最強の「女流棋士」の里見香奈女流三冠が初の「女性棋士」をめざす背景: 田丸昇公式ブログ と金 横歩きより。
以上のコメントのように、里見の奨励会受験に関する問題はなかなか複雑です。改めてブログのテーマとします。
里見香奈女流三冠の奨励会受験に関するコメントについて: 田丸昇公式ブログ と金 横歩きより。
【追記】
里見女流名人・女流王将・倉敷藤花の奨励会入会と女性奨励会員の女流棋戦エントリーについて見解を示します。
本件につきましては平成23年5月26日の役員会において次のように決定いたしました。
一、女流棋士が奨励会試験を受験し、入会することは自由である。
一、女性の奨励会会員が女流棋戦にエントリーし、出場することは自由である。
「奨励会と女流棋士の重籍に関する件」について ‐ 日本将棋連盟
正直言いまして、「特例」による編入について座りの悪さを感じるのは否めません。一方で女流のタイトルホルダーという立場を連盟として無視することもできないわけで、換言すれば、里見女流三冠は特例が許されるだけの実績をつかみ取ったといえるのでしょう。ただ、今回の編入試験を『王狩』に例えれば、久世杏、綿貫毬乃、石川広海が務めたようなものですから、私的には里見女流三冠の応援ばかりをする気にはなれなかった、ということは付言しておきたいと思います。
女流なんて言葉……いつかいらなくなるかもな
『しおんの王』1巻p39より。
- 作者: 安藤慈朗,かとりまさる
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*1:『王狩』2巻p84より。
*2:【参考】瀬川晶司 - Wikipedia