平野耕太『以下略』ソフトバンククリエイティブ

以下略

以下略

面白かった本を「面白かったので人に勧めたい本」と「面白かったけど人には勧められない本」に2分割した場合、胸を張って後者に分類できる1冊です。
このマンガを一言で言うと、「ダメ男たちの『らき☆すた』」。
とあるゲームショップで、男たち3人+αがゲームやマンガやアニメなどについて濃ゆくて実のないを延々とダベる漫画です。
HELLSING』著者のハイテンションがダメな方向に遺憾なく発揮された(←褒めてます)1冊であり、作中に散りばめられているネタを知らない人を遥か彼方に置いてけぼりにする内容は潔さすら感じます。
ネタというのは読者の対象を狭めれば狭めるほど濃くなり、対象の読者にとっては面白さや深さが増すものだと思います。
例えば、こんな感じ。

まあネタがわかっていても面白くないと感じる人もいるでしょうが、少なくともフジモリは大いに楽しめました。
らき☆すた』に代表される、いわば「ダベり系」とでも呼ぶべきジャンルですが、ジャンルという分け方をしたら『以下略』も「ダベり系」にカテゴライズできると思います。しかしながら、他の「ダベり系」と異なりムサい男たちによって行なわれるダメ人間たちのオタトーク。「ガールズトーク」とは彼岸と此岸ぐらい異なるシロモノです(笑)。
生産性もなく実もなくごく限られたメンバーでの「共有知」を笑うという「狭さ」。「自分たちもそう見られているんだろうなぁ」というゲッペルさんを差し引いても大いに笑える1冊でした。しかしながら、他人には絶対オススメしません。興味を持たれた方は、自己責任でお願いします(笑)。