『よつばと!』8巻 「現実の中の非現実」によるリアリティ

よつばと! 8 (電撃コミックス)

よつばと! 8 (電撃コミックス)

よつばと8巻読了。
今回はすっかり夏も終わり、文化祭だの台風だのお祭りだの秋イベント満喫の1冊でした。
ところで、作者あずまきよひこのblogで

よつばとは毎巻、作画的にステップアップするべき目標が設定してあります。
この辺は読む時にはあんまし気にしないでもらっていいのですが。
6巻からちょっと新しい方向に入り、7巻でそれをちょっと進化させ、8巻ではその路線を徹底化しているところです。(あずまきよひこ.com 5/30

と書いていましたが、1巻と見比べると最新巻である8巻は背景の線が非常に細かいことに気付きます。
これが1巻。(p92)

これが8巻。(p32)

全体を通して背景(人物含む)が非常に写実的です。一方、よつばをはじめとする登場人物たちはこれまでどおり線が太く書かれており、なんというか、「実写背景の中を、漫画のキャラクタであるよつばが元気に動き回っている」という印象を受けました。
感覚としては、写真によつばが入り込んでいる月めくりカレンダーを思わせます。
http://yotuba.com/2008cal_top.html
言葉足らずでうまく説明できないのがもどかしいのですが、
「現実風景に近い背景に非現実(漫画的)に書かれたるキャラクタを配置することで、より一層現実感を味わえる」
ような気がしました。
それにしても白眉のエピソード「よつばとおまつり」をはじめ、相変わらずのクオリティの高さでした。大満足。