映画「西の魔女が死んだ」を観てきました

ダイヤル式の鍵は総当りで開けられるってホント?
映画『西の魔女が死んだ』を観てきました。『西の魔女が死んだ』は梨木香歩の小説であり、あらすじは以下の通りです。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。

中篇なのでさっと読めるのですが、この手の話はフジモリの涙腺のツボで思わず泣いてしまった一品です。
映画化されるということで、あの魔女の家がどのように再現されるか楽しみに映画を観ました。
前知識として、フジモリの実家近辺がロケ地だったことを知っていましたので、非常に懐かしい気持ちになりました。
八ヶ岳の麓、自然が大いに残るロケーションはまさに「西の魔女の家」にふさわしく、自然と一体となったようなセットでした。
魔女ことお婆ちゃん役のサチ・パーカーですが、最初はややイントネーションが不自然な日本語が気になったものの、諭すかのような落ち着いた喋り方が次第にしっくりくるようになりました。
主人公・まい役の高橋真悠もハマリ役で、感受性が強すぎて学校の子達となじめなかった様子や、自然と触れ合うことで次第にしっかりとした考え方が身についていくところなど、しっかりと作中で「成長」している姿が印象に残りました。
脇役もしっかりしており、まいの仮想敵であるゲンジの木村祐一キム兄)や高橋克実が扮する郵便屋さんなど、良い意味での「田舎っぽさ」が出ていました。
映画そのものは、お婆ちゃんとまいとの日々のやりとりを中心に、淡々と進んでいきます。あこぎに感動に走ったり無駄に盛り上げようとしないところが非常に好感を覚えましたし、淡々としているからこそ最後のシーンの感動が引き立っていました。
最後のシーンは内容がわかっていてもやっぱり泣けましたし、静かな感動を残雪のように胸に残す作品でした。原作に感動された方なら見て損はないと思います。
なお、映画のセットはまだ残っており見学可能だとのことなので、帰省ついでに見に行ってきます。
http://www.keep.or.jp/nishimajo/index.html

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

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