名人戦第3局をハチワン風に解説してみる
- 作者: 柴田ヨクサル
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/09/19
- メディア: コミック
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森内 こっちの玉は入玉寸前。それでもまだ指してくる。
羽生 フシューッ
バチィ(羽生△8九飛)バチィ(森内▲8八銀打)バチィ(羽生△7八歩)
森内 これはとても名人の手とは思えないが。この場の雰囲気か、それともあなたの将棋に引っ張られたのか。
ドン(森内▲9八銀)
(観客 そこまでやるか。)
森内 ヒドイ形だが、飛車は死んだ。まだやりますか。
バチィッ(羽生△8六桂!!)
森内 こ…ここで…こんな…。大技があったか*1。
(観客 羽生さんっ。一発でひっくりかえしたのかっ!!!)
森内 引っ張られた。
バチッ バチッ バチッ………バチィッ!!
森内 負けました。
【関連】
・羽生、50年に1度の大逆転 将棋名人戦2勝1敗に(asahi.com)
・将棋名人戦第3局2日目ダイジェスト(asahi.com)
・羽生が激戦を制し2勝目 名人戦第3局2日目(毎日.jp)
・ハチワン=081=オッパイと読んでしまう人のための『ハチワンダイバー 4巻』将棋講座 - 三軒茶屋 別館
ついカッとなってやりました(笑)。こんな漫画みたいなことが実際に、しかも名人戦という最高峰の舞台で起こるものなのです。将棋は逆転のゲームといわれますが本当に最後の最後まで気を抜くことができないスリリングなゲームです。演出の都合上省略してしまいましたが、△8六桂▲8三玉△9八桂成とされて普通だったらここで倒れてもおかしくないところ、名人は▲7八金とこらえます。これでまだ難しいのかと思っていたら羽生の△6九銀(!)が炸裂。この銀一発で後手の飛車は金銀の牢獄から脱出。さらには先手の金を追い回しながら先手玉の寄せにまで参加してしまうという獅子奮迅の活躍をみせます。あっという間の転落劇に唖然呆然。羽生恐るべし。
*1:空き王手。王手なので実戦は▲8三玉とかわしましたが△9八桂成で打ったばかりの銀を取られてしまいました。ホントに酷い手があったものです。