極寒の季節によつばと!『組曲 冬将軍』を聴くということ
- アーティスト: 栗コーダーポップスオーケストラ
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2006/11/22
- メディア: CD
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そこで寒い冬を少しでも楽しむために、よつばと!『組曲 冬将軍』をCDラックから引っ張り出してみました。
『組曲 冬将軍』はあずまきよひこ『よつばと!』の世界を栗コーダーポップオーケストラ*1が音楽で表現したCDの2枚目です。
前作『よつばと♪』はよつばの一日だったのですが、今回のテーマは「よつばと冬」。
今回も、目を閉じればよつばが跳ね回っているかのように『よつばと!』を巧みに表現しています。
CDブックレットに絶妙な曲解説が書いてあるのですが*2、フジモリなりにこの組曲の聴きどころとか情景とかをつらつら語っていきたいと思います。
序曲「冬将軍がやってきた」
つくつくぼうしは夏を終わらせます。冬の訪れには冬将軍がやってきます。
ずんずんずん。冬将軍の足音。行進曲。
「とーちゃん!冬将軍って強いのか?」
第1曲「小岩井家の冬」
朝日が窓から差してくる。朝。寒い朝。ばっちり目が覚めたよつばがとーちゃんを起こす。起きない。布団から出ない。
曲調が柔らかく、あったかくなる。暖房をつけたようだ。
季節は冬。冬将軍がやってきた。
第2曲「北風と自転車」
第1曲「小岩井家の冬」と同じフレーズ。だんだんとテンポが速くなる。颯爽とした曲。北風の中を進む2台の自転車が目に浮かぶ。
どこからか聞こえてくるのは石焼きイモの声。「いしやーきいもー、おいもー」
だんだんと近づいてくる。よつばは興味津々。
ちゃりんちゃりん。小銭でお支払い。「まいどあり!」
夕焼けの中、ほくほくのおいもをほおばる。「うめーなー!」
第3曲「コタツのある情景」
『のだめカンタービレ』で千秋が言ったようにコタツは諸悪の根元*3。コタツに入ると時間の流れがゆっくりとなってしまう。
聴くものの時間もゆっくりとさせるほどの脱力した曲。コタツの中はハワイアン。
眠たくなる。眠たくなる。ぐー。
間奏曲「冬のスケッチ(1)」
カメラは町全体を俯瞰。間奏曲だけあってこの曲に「よつば」はいない。
アコースティックギターとアルトリコーダーの二重奏。途中からソプラノリコーダーも加わる。
ある冬の日。落ち着いた曲。
第4曲「サンタの来る日」
「Deck the Hall(ひいらぎかざろう)」、「Christmas Tree(もみの木)」そして「Jingle Bells(ジングルベル)」など、栗コーダー風にアレンジされたクリスマスソング。町は浮かれる。よつばも浮かれる。
朝。くつ下にはプレゼントが。すげー。
第5曲「師走の町」
慌ただしい年の瀬の町の中をよつばが進む。
どこからか聞こえてくるのはお正月の足音。
間奏曲「冬将軍の勢力は増し、寒さはいっそう厳しくなる」
序曲で使われたフレーズが、だんだん大きくなっていく。
冬将軍の勢力は拡大していく。
第6曲「大そうじ、大みそか」
さあ、大そうじを始めましょう。
あちこち掃除。そしてぞうきんがけ。
そして大みそか。
今日は遅くまで起きてなきゃ!起きてなきゃ!起きて・・・ぐー。
遙かに聞こえるは除夜の鐘。ごーん、ごーん。
年が明けますよー。
第7曲「お正月の室内と屋外」
初日の出。
「あけまして、おめでとーございます!」「あけましておめでとうございます」新年の挨拶。
お餅を食べる。のびる、のびる、お餅。
お餅を焼く。ふくらむ、ふくらむ、お餅。
お正月の街中をよつばが走る。
澄んだ空気。凧が上がってる。
いつもと違う日?いつも違う日!
間奏曲「冬のスケッチ(2)」
「冬のスケッチ(1)」と同じフレーズ。今度はピアノとソプラノリコーダーの組み合わせ。
第8曲「大雪の日《全曲》」
組曲で最長の曲。
堂々とした冬将軍の足音からこの曲ははじまる。
朝。柔らかな日差し。静かな町。雪に音を吸い取られた様子を巧く表している。
そして再び、第1曲「小岩井家の冬」と同じフレーズ。雪の町を走り回るよつば。
雪だるまを作る。雪玉を投げる。あはは、つめてーなー!
日が暮れる。よつばはお休み中。
キンと冷えた空に星が瞬く。
間奏曲「一面の銀世界。冬将軍は帰り支度を意識する」
一面の銀世界。そして序曲と同じ冬将軍のフレーズ。しかしどこか寂しげな感じ。
第9曲「節分(鬼の首を取ったかのように)」
「おにはーそと」パラ、パラ。
「ふくはー、うち」パラ、パラ。
和風テイストの音楽の中、豆をまくよつば。
年の数だけ豆を食べる。いち、にー、さん、しー、ごー。
「ごちそーさまでした!」「ごちそうさまでした」
終曲「去ってゆく冬将軍、そして春一番」
再び、序曲「冬将軍」のモチーフ。だんだんと小さくなり、遠ざかっていく。冬将軍が去っていく。
冬将軍のフレーズを使いながらも、春の息吹を感じさせる音楽に。
そして第1曲「小岩井家の冬」のフレーズが流れる。曲調はワルツ風。
北風は春一番に変わる。冬はもう去った。よつばが駆け出す。
何もない日。でも、いつでも今日が、一番楽しい日。
前作『よつばと♪』と同じく、栗コーダーポップスオーケストラの手によって『よつばと!』の優しい世界観が巧く表現されています。
目を閉じるとよつばが冬の町を元気に駆け回っている姿が目に浮かびます。寒い日も暑い日も関係なく、毎日が発見。毎日を楽しむよつば。
『よつばと!』本編でよつばが冬を楽しむのはまだまだ先だと思いますので、このCDで一足お先に「よつばと冬」を楽しんでしまいましょう。