読書感想文で何を書くか?
暑くて寝苦しくて眠れません(泣)。無理に寝ようとするのもストレスなので、暇つぶしに書評サイトらしく夏休みの宿題・読書感想文について、提出という最低限の目標をクリアするための駄文をつらつらと書いてみました。多分、よい子は真似しない方がよいでしょう。理屈っぽい人向けの書き方です。
「読書感想文の書き方が分からない」といった話はよく聞きますが、その方が本当に方法論で悩んでいるのだとしたら、それは持てる者の悩みだと思います。私自身、感想文という課題に悩まされた経験がありますが、それは書き方についてではありません。書くことがあるのなら、とにもかくにもそれを書いて原稿用紙を埋めてしまえばよいのです。そうではなくて、そもそも何を書けばよいのか分からないという、もっと根本的な悩みが本質ではないでしょうか。
読書感想文で何を書くか? ググってみたところ、非常におおまかながら次の5つに分類できるみたいです。
(1)感想を書く派(面白いと思った人物・場面、学んだことなど)
・小学生の宿題(読書感想文の書き方)
・読書感想文の書き方
・読書感想文の書き方
・初歩的な読書感想文の書き方
・参考にならない読書感想文の書き方。
(2)作者の言いたかったこと(テーマ)を書く派
・読書感想文の書き方(その1)
・読書感想文の書き方
(3)自分のことを書く派(自分の生活・体験との比較、読後の変化など)
・こうすれば書ける読書感想文
・読書感想文の書き方書かせ方
・あなたにも出来る!宿題・読書感想文の書き方。
・読書感想文の書き方「はっぱじゃないよ ぼくがいる」を例に
・読書感想文の書き方
(4)先生の喜ぶことを書く派(先生が好きなのは感動だ!)
・教師が好む読書感想文の書き方と傾向と対策とコツ
(5)同じ本を読んでいない人が見たら何を言っているのかわからないことを書く派
・簡単なようで、すごく難しいこと
上記の分類は極めて大雑把なもので、実際にはそれらの複合型がほとんどです。詳細についてはリンク先で各々ご確認下さい。
さて、これらのうち、ここでは(4)は論外とします。いや、上を目指すのは良いことだと思いますが、それを狙えるような人はここではお呼びじゃありません(笑)。
感想文というくらいですから、(1)がやはり基本というか王道だと思います。適度に書くべきです。しかし、「面白かった」や「つまらなかった」でスペースがすべて埋まるのなら苦労はありません。(5)は結構有力だと思いますが、何を書いてもいいということは、ときに何の説明もしてないのと同義だったりもします。
上記の分類では、私自身は今も昔も(2)のテーマ派です。(3)の自分のことを書く派は、少なくとも中学時代の私にとっては論外中の論外です。何が悲しくて教師相手に自分語りをしなくちゃならんのですか。そんなの真っ平ゴメンです。
ということで、テーマ派としての私的読書感想文の書き方をご説明しましょう。
まず、本を読みます。ここは仕方がありません。で、あらすじは書くべきです。それは、その本を実際に読んだという証明みたいなものです。ただし、長すぎるのはよくありません。本の裏表紙なり紹介文なりを参考に、丸写しにならないよう類義語辞典などを使いながらほどよい長さにまとめましょう。
ここからが本題です。その本から論点・問題点を抽出します。これは思いつきで構いません。幸いにもテーマが読み取れた場合にはそれを問題点へと転化させます。そして、その論点についての考え方をいくつか用意して、それぞれの考え方の長所・短所を考察し、その上で自説を定立します。そうして、その本での主人公の行動・物語の結論と自説とを照らし合わせ、同じだったら「とても共感できました」、違ったら「こういう考え方もあるのだなと思いました」みたいな締め方をして終わりです。
難しく考える必要はありません。例えば、男Aと女B、女Cの三角関係が描かれている物語としたら、男Aは女Bと付き合うべきだ説、女Cと付き合うべきだ説、二股説、どっちとも付き合わない説の4つくらいはすぐに考えられるでしょう。また、男Aと女Bは恋人同士だけど女Bが不治の病に冒されて余命いくばくもないという物語だったら、AB間での愛を育むことを最優先にする説、Bが少しでも長く生きられるように医者の意見を最優先にする説、Bの両親のことを優先して考える説などが考えられます。これらの説について、それぞれの都合・不都合を挙げていけばよいのです。特に独創的なものである必要はなく、常識論の羅列でも一向に構いません。
ここまで書けばお分かりかもしれませんが、これは読書感想文というよりはレポート・考えたことの書き方です。ですから、厳密には感想文ではありません。しかし、「感想」と「考え」の区別など極めて曖昧なものです。考えを並べ立てた上で「これが私の感想です」と言えば一体誰が反論できるでしょう。そもそも、ここでは原稿用紙の埋め方を問題にしてるわけですから、書くこと、すなわちネタが生まれさえすればそれでよいのです。ただし、レポートと違って感想文の場合は、必ずしも自らの考えを明確に打ち出す必要はありません。具体的に言いますと、上記のように説をいくつか列挙したとして、必ずしも自説を決める必要はありません。「いくつか考え方があるけれど私にはどれが正しいのか分からなくて、だけどこの本ではこういう考え方をしていて、それについて私はかくかくしかじか思いました」みたいなのでもいいのです。感想文ですから。このようにすれば、自らの内面についてほとんど触れることなく、表面的な理屈っぽいことだけで原稿用紙を埋めることが十分可能でしょう。むしろ、コンパクトにまとめることに苦労するおそれすらあります。思考の暴走はほどほどに。
ちなみに私は、感想本に『ロードス島戦記 火竜山の魔竜』を選び、「正気と狂気」というテーマを勝手に設定して、以下、狂戦士についての説明を長々とすることで原稿用紙を埋めるということを中学3年生のときに実際にやりました。思い出したくない若さゆえの過ちです。ま、提出さえできればそれでいいじゃないですか(笑)。それでは、おやすみなさい。
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