ネットの辺境でネタばれOKをつぶやく

 書評とかでのネタばれの是非をめぐる議論で、「ネタばれされちゃうと読む気がしなくなる」というような意見をときどき目にします(ミステリだと特に)。前提として「ネタとは何か?」あるいは「ネタばれとは何か?」という点について議論が必要でしょうが、ひとまずそれは置いときます。仮に狭い意味でのネタ(仕掛け)を指すとして、その作品には本当にそのネタ以外に読むべき点はないのでしょうか? そのネタを表現するために作中でどのような工夫がなされているかという点には興味は沸きませんか? いや、うちは基本的にはネタばれ書評が多いので、こんなこと書くと見苦しい自己弁護に思われるかもしれません(実際そうですし)。ただ、本当にその作品のことを理解したいと思ったら、実際にそれを読む以上のものはないと思うのです。ネタばれされまくりの古典ミステリが復刊されるのもそういうことでしょう。そもそも、例えばうちがネタばれと称して書いてるものだって果たしてホントにそれがネタばれなのか知れたもんじゃないですよ? かく言う私自身、快心のネタばれ! ってものは今まで書けた試しがありません。
 とか言いながら私自身は、これから読もうと思ってるけどまだ読んでない本についての感想・書評についてはできるだけ避けるようにしています。しかし、律儀にそれを守ってると次に読む本を探す場合に参考にできるものが何もなくなってしまいます。ですので、未読にもかかわらずネット上のネタばれ書評を読むことも正直ありますし、それでそのネタが面白そうだと思えば読んじゃいます。つまり、ネタばれがその本を読むことへのキッカケになってるわけです。私自身がこういうスタンスなので、ネタばれ書評もそういう人を意識して書いてる節があります。つまり、「未読者向けのネタばれ書評」ですね。ただ、それを公言しちゃうとさすがに非難轟々かもしれませんし、実際に読む手間が省けると誤解されるのも嫌です。したがって、「既読者限定のネタばれ書評」ってことに表向きはしてますが、実はほんのチョット嘘だったりします。察して下さい。
 いや、ネタばれに何の問題もないってことが言いたいわけじゃないのです。ただ、少数派かもしれませんがこういう人間もいるわけで、ネタばれ=絶対悪みたいなのは勘弁して欲しいなぁ、とちょっとぼやいてみました。