【戯言】大ヒット作品が大ヒットだと認識されないワケ。

発行部数がメガヒット級の作品があるという存在を踏まえて、なおかつ「ヒット作品がない」と言われているのはなぜか。
以前と比べて「売れる要素」が多様化している。同じ作品でも、純粋に物語を楽しむ人、キャラに「萌える」人、2次創作の妄想を膨らませる人と、読み手によって様々な「楽しみ方」ができるようになった。これは受け手がTVゲームによって「自分なりの楽しみ方ができる」ことを知ってしまったからだ。
それによって同一作品でも様々な層が発生し、結果的にその作品が「売れる」。しかしその売れている原因は複数であるが故に、その作品が売れている原因が「一言で」説明できない。さらに同一作品でありながらその作品が読み手同士の「共通言語」にならない。
売れているのだが「大ヒット作品」と認識されていないのは、昔の大ヒット作品が持っていたその作品に対する共通意識、グルーヴ感がかけているからでは無いだろうか、と考える。
もちろん、最近の「売れている作品」を批判しているわけではない。読み手の作品に対する楽しみ方が多様化している現在、昔と同じ方法論で「ヒット作品」を論じることに違和感を感じているだけである。

なお、上記は漫画の「大ヒット作品」についての論説であり、音楽、書籍のいわゆる「ベストセラー」論は以前論じている。
音楽や書籍はベストセラーが共通言語となりうるのに、漫画は異なるという点は非常に興味深い。
【戯言】趣味嗜好の多様化によりベストセラーが増える