別館号外さんちゃ0024号@アイヨシ

熱血インタビュー:米澤穂信
 『ボトルネック』は確かに痛々しいと思うのですが、ただ、あそこで終わっていることにあえて、少なくとも読者としては無理やりにでも希望を見出したいと、苦しいながらも思ってたりします。

 アイヨシは、少し前の記事で、現在刊行されてる浅倉久志・訳の『スキャナー・ダークリー』より山形浩生・訳の『暗闇のスキャナー』の方が個人的には好き、みたいなことを書きました。
 しかし、両者をぱらぱらっと読み返してみたところ、そうとは言えない箇所もあると思い直しました。この作品、実は唐突にドイツ語の文章が入り込んでくるのです。で、山形版ではそれはそのままなのに対し、浅倉版ではきちんと訳されています。著者であるディックが狙った効果・真意に忠実であろうとすれば、山形版のように訳さずにいる方が正しいのだと思います。しかし、正直何が書いてあるのかは気になりますし、だとしたらやっぱり訳してある方が嬉しいわけで、その点では浅倉版の方が好きです。ま、あくまで好き嫌いの枠を出るようなものではありませんから、どっちでもいいんですけどね(笑)。

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)

 アイヨシの罰ゲーム書評はすでに書き上がっていて、あとはアップ待ちです。その中の『殺人症候群(書評)』は三部作の中の1冊ですが、他の2冊も読んでいますので、今回はそれのプチ書評を。