号外さんちゃ1050号@アイヨシ

 古本祭りの戦利品の一冊である『残酷な方程式』(ロバート・シェクリー/創元推理文庫)には16の短編が収録されています。その最初のお話が『倍のお返し』というタイトルで、悪魔が出てきて三つの願いを叶えてくれるというお決まりのネタですが、ただし、何を願ったとしても自分の最大の敵に対してその倍の恩恵がもたらされてしまうというオプションがついています。この手のものはハッキリとしたオチのものが多いと思いますが、この場合は珍しく含みのあるオチでこれはこれでなかなか乙なものです。
 この”三つの願い”というテーマは、日本では星新一えんどコイチといったところが数々の佳品を生み出していますが、本をただせばその原型って何なのでしょうか? アラジンの魔法のランプが大本の大本じゃないかと思うのですが、それがジェイコブズの『猿の手』になって、さらに悪魔になったのでしょうか? ググったりして調べてはみましたが良く分かりません(あ。ファウストがありましたか?)。
 どなたかご存知の方がいらっしゃいましたらご教示いただければ幸いです(ぺこり)。

 本日は竜王戦第二局の一日目ー。
 後手番の佐藤棋聖の作戦が注目でしたが、大方の予想通りゴキゲン中飛車でした。渡辺竜王の対策も含めてぜひ見たかった展開なので嬉しいです。その竜王の対策ですが、丸山ワクチンからの玉頭位取りでした。玉頭位取りは古くは振飛車対策の代表格でしたが、藤井九段が四間飛車で対策の決定版を出しちゃったり、振飛車穴熊にはイマイチだったり、中飛車が一時期衰退してたりで消えた戦形でした。それがゴキゲン中飛車の流行に呼応する形でこうして再び登場してくるのですから面白いものですね。