『少女七竈と七人の可愛そうな大人』(桜庭一樹/角川書店)

 インタビューでも触れられている通り、”母親の怖さ”が書かれた物語です。とは言え、今までの桜庭一樹の作品からすると、もっとも普通な物語だと思います。普通、ラノベとかの越境小説家の場合、狭いジャンル・カテゴリから一般小説へ踏み出してくれる読者が現れることを出版する側は期待するのでしょうが、桜庭一樹の場合には逆に、本書をきっかけに一般小説からラノベの方に興味を持ってくれる読者が現れることを期待したくなります。とりあえず、『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』辺りがオススメです。
 読んでて気になったのが、雪風の方には芸能事務所のスカウトはこなかったのでしょうか? 書かれていない物語として存在しているのかも知れませんけどね。
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少女七竈と七人の可愛そうな大人

少女七竈と七人の可愛そうな大人