号外さんちゃ996号@アイヨシ

 朝から蒸し暑い……。
 こんなに暑くっちゃ、最初がジで最後がタの『神の病を描き治すと豪語した西洋漢方医の画家』とか『ドイツのグローワース島出身の芸術家』なんて分かるはずがありません(←それは暑さのせいじゃない)。

竜王戦中継サイト
 本日は、森内名人×佐藤棋聖という、タイトルホルダー同士の蝶注目の一戦です。一手も余さずじっくり吟味しながら観戦したいところですが、今日は外出の予定なのであしからず。

 『時かけ』観てきました。
 タイム・リープなんて別に珍しい題材じゃないし、時代設定も主人公も違うんだから、無理に『時をかける少女』なんてタイトルにして筒井康隆に原作使用料を支払う必要もないんじゃね? って思ってたのですが……。
 ごめんなさい。私が間違っておりました。確かに違うし、登場人物も増えててストーリーも膨らんでいるのですが、それでも、ストーリーの骨組みは原作どおりなのです。アイヨシは先の展開を読みながら映画を観るタイプなのですが、原作どおりと分かればそんなこと考える必要も無いので、素直にストーリーを楽しむことができました。
 序盤のドタバタはアニメ版オリジナルですが、むしろ筒井っぽくて可笑しかったです。で、原作どおりと高をくくってると、最後の最後で意外な驚きというか展開が待ってます。何気ないエピソードが、繰り返しの過去で巧みに再利用されてるのにも感心しましたし、SFとしてもとても面白かったと思います。
 とはいえ、ストーリーがどうとかSFとしてどうとか言うのは、やはり野暮というものでしょう。フジモリ始め結構リピーターさんが多くいらっしゃるという話を聞きますが、それも納得です。結末は鮮やかなんですが、それでいて余韻がじわじわきます。傑作と言って良いと思います。繰り返そうとしても取り戻せない青春、なんて要約しちゃうと陳腐だし恥ずかしいですが、それだけに普遍的だってことだと思います。
 順番は前後しても構わないので、アニメと原作両方に触れることをオススメします。

筒井康隆氏が語るSFリメーク映画ヒットの理由
 なぜか絶版にはならない ってことですが、出版社品切れには結構なってますよね(笑)。