号外さんちゃ981号@アイヨシ

 本日の竜王戦決勝トーナメント・森内名人×松尾六段戦はとても面白かったです。
 後手番となった森内名人が相掛かり(=互いの飛車先の歩を突き合う序盤の形)を選んだのがまず意外で、何か策があってのことと思ってたら8五飛車! 横歩取8五飛車ならぬ相掛かり8五飛車とでも呼びましょうか(笑)。
 もっとも、相掛かり8五飛車自体は前例がありまして、第24回朝日オープン北島六段×泉七段戦がそうですが、この場合の8五飛車には先手の銀の動きを牽制する意味がありました。
 ところが本譜では▲2五銀に対してあっさり△8四飛車と下がりました。だったら最初から8四に引けよって話です。まさに手損です。のみならず、森内名人は普通だったら金銀の移動に手を費やすべきところで端歩に三手も使います。緩手の烙印を押されかねない手ですが、まさに「名人に定跡なし」を地で行く傍若無人振りです(笑)。
 手損の角換わりが流行していますが、それがついに相掛かりにまで波及してきたということでしょうか? ひょっとしたら本局をキッカケに新定跡が生まれるかもしれません(←大げさ?)。
 しかし、先手の松尾六段も自然な手を指してて(少なくともアイヨシには悪手らしき悪手は見当たりません)、普通は先手が勝ちそうなものなのです。にもかかわらずどういうことか最後は森内名人が勝利。しかも大差。おかしいなぁ??? 将棋ってホントに難しいですね……。