号外さんちゃ946号@アイヨシ

 死にぞこないの青(あいさつ)


 『ザレゴトディクショナル』(西尾維新講談社ノベルス)を買いました。袋とじで内容が不明だったので正直ためらいもありましたけどね。
 ひとつには、個人的に筒井康隆の作品のいくつか(『虚人たち』とか)との比較で戯言シリーズを論じてみるのも面白そうじゃないかなぁ、という実現可能性の極めて低い目論見のためでもあります。
 用語辞典ということで、確かに作中の用語についての説明がなされてますが、詳細は不明というのも結構あります。辞典としてそれはどうかと思いますが、戯言シリーズは結局いーちゃんの一人称視点の物語ですから、いーちゃんに分からないものは分からないままでいいんですよね。
 とはいえ、実はこういう意味だったとか、こういう話にする予定だったとか、裏話的な要素は満載です。西尾維新の小説観・価値観が垣間見れますので、ファンなら買いでしょう(無理に買う必要はない、とも言えますが)。
 p325の「物語」の項目で、戯言シリーズをメタ小説にしないように気を遣っていたというのが少々意外でした。
 「ネタバレ」という項目もありまして、さんちゃ的に実は今「ネタバレ」がテーマになっていまして(近いうちに発表できればいいなぁ)、やはり興味深く読みました。
 「ライトノベル」の項目は、ひょっとしたらツッコミどころ満載なようにも思います。経済小説ライトノベルとしては、とりあえず『狼と香辛料』(支倉凍砂電撃文庫)が思いつきますが、これは結構面白いのでオススメです。


>「出た……クラウザーさんの1秒間に10回『コミックファウスト』発言!」
 ↑講談社メールマガジンファウスト第47号』からの引用ですが、いいのかこれ?(笑) コミックファウストが狙っている読者の対象年齢がよく分かりません……。