『ジョジョリオン』 6巻

 vs東方つるぎ。
 なんというか、つるぎちゃんのスタンドの攻撃を受ける康穂を1巻まるまる使って描くという、週刊連載時には考えられないじっくりゆったりたっぷりした展開。そしてだからこそ、「人や文字を識別できなくなる」だけの攻撃力もないつるぎちゃんのスタンドの「シンプルな恐ろしさ」が読む者へ恐怖として伝わってきます。ホラーというより、「世にも奇妙な物語」的な。
 この「たいしたことないスタンドだが嵌れば怖い」という展開はまさに第4部。
 「ゴール」がある「レース」を描いたSBRとは真逆に、「ゴール」が見えない「呪いからの解放」を描く『ジョジョリオン』。この極端な対比が「ジョジョ」の、そして荒木飛呂彦の醍醐味。
 余談ですが、下半身を見て「常助じゃない」と判断した康穂にこっそりウケました。見るとこ見てるのね(笑)。