長澤真『瑪瑙之竜』ビームコミックス
- 作者: 長澤真
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2010/09/15
- メディア: コミック
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TVの「必殺」シリーズはもとより、坂口いく『闇狩人』など必殺オマージュの作品も大好きなフジモリですので、「昼はイチ市民、夜は正義の味方」という帯につられて即買いしました。
内容は、両手に暗器を仕込んでいる学(マナ)をはじめ、その「眼」に特殊な力を持つニス、仮面の手品師アル、ラジコン使いのゼインの4人が、昼は善良な一市民、夜は悪人たちを退治する仕置き人として活躍するお話です。
*1
「必殺」シリーズと異なり、「法で裁けない悪人を裁く」というわけでもなく、警察より先に悪人を懲らしめるというポジション、そして悪人を「殺す」のではなく再起不能にして警察に突き出すだけ、という「懲らしめる」という彼らのやり方は、「必殺シリーズ」にみられた殺伐さからはかけ離れ、マイルドな味付けになっています。
*2
また、一人ひと能力の癖のある連中がチームを組んで仕事をするところなどは、どちらかといえば『ルパン三世』や最近で言えば映画『オーシャンズ』シリーズなどに通じる古き良き「チームもの」の遺伝子を継いでいるところがあります。
「マイルドな必殺仕事人」*3ではあるものの、逆に絵柄はしっかり描きこまれ、アクションシーンもなかなか。
マナとニスのイチャイチャっぷりも読んでて面白く、良い意味で「現代の仕置き人」という感じがします。
*4
1巻ということでまだまだメンバーのお披露目的なところもありますが、丁寧な描き込みと個性的なキャラクター、かつ王道の物語で、次巻を読みたい1冊だと思いました。