パチンコ大当たり理論について語る

パチンコ大当たり理論といってもパチンコの勝ち方について書くわけではありません。
通常、パチンコの大当たりの流れは以下の通りです。
スタートチャッカーにボールが入る→リーチ→リーチ演出→当たり
で、このリーチ演出に「信頼度」というものがあり、信頼度が高い演出だと当たりやすいのでドキドキする、といった効果を産んでいます。
しかしながら、パチンコは完全抽選であり、スタートチャッカーに玉が入った時点で当たりか外れかが決まります。つまり、大当たりの場合、実際の処理は
スタートチャッカーにボールが入る→当たりの決定→リーチ演出の選定→リーチ演出→当たり演出
としているわけです。となると、この「信頼度が高い」というのは何なのかというと、「大当たりが決まったあとのリーチ演出の選定時に割り振られやすい」ということなのです。
具体例でいうと、
リーチA 信頼度10%
リーチB 信頼度50%
リーチC 信頼度90%
の場合、「外れ かつ リーチ演出」の場合、リーチ演出の振り分け率は「A:B:C」=「9:5:1」になります。信頼度が低いリーチほど頻繁に出るということです。一方、「当たり かつ リーチ演出」の場合、リーチ演出の振り分け率は「A:B:C」=「1:5:9」になります。すると、見た目上はリーチCが出た場合9割の確率で当たる、と遊戯者は思うわけです。ただし、当たるか当たらないかは既に決まっているので、「リーチCが出たから当たる」というわけではありません。ともすると、
スタートチャッカーにボールが入る→リーチかどうか選定→各リーチに振り分け→振り分けられたリーチの信頼度で当たりかどうか抽選→当たり
と錯覚しがちですが、実際には異なる、ということです。
で、ここからが本題。
結論を先に決めておいて後からその論旨を補強するデータを持ってくる調査がありますが、まさにこのパチンコの大当たりの仕組みと同じなんですよね。
具体例を挙げると角が立つので割愛しますが、データを曲解し使用している調査結果なんてざらにあります。そういう記事を見るたびに「ああ、パチンコの当たり演出と同じだ」と思ってしまいます。
メディアリテラシーなんて小難しいことはわかりませんので、そういう結論ありきの論説は「パチンコ大当たり理論」と呼ぶことにします。
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