『涼宮ハルヒの分裂』についての私的収集メモ
明らかに続きものなので、本作についての分析などは控えます。ただ、キョンと佐々木の無邪気な中学生同士のたわいもない恋愛模様の一ページはほのぼのしてて良いですね。物語も大きく動き出したので、続きがとても楽しみです。
以下の自分メモ代わりの収集成果は、当然ながらネタばればかりです。それにしても、発売から間もないのにこれだけの情報が収集できちゃうのですから、人気の程がうかがえますね。
(以下、長長門。)
作中で長門が読んでた本(p11とp107)ですが、前者は『ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環』で後者は『囚人のジレンマ―フォン・ノイマンとゲームの理論』ですか。どっちも読んだことも見たこともないので私には確信が持てませんが、前者はともかく後者は数学者の伝記というだけですので、他にもきっと候補があるでしょうね。
百人秀歌は百人一首の別バージョンなのですね。芸が細かいですね(参考:Wikipedia)。
αルートとβルートのまとめ。まさに備忘録。助かります(笑)。
フルネームが出てる出てないで普通人と非普通人が区別できるんじゃないか説によれば、佐々木が名字のみで下の名前が出てきてないのは普通人だから、ということになります。
佐々木が全部読んでたエラリー・クイーンの国名シリーズ(p241)とは、『ローマ帽子の秘密(ネタばれ書評)』、『フランス白粉の秘密(ネタばれ書評)』、『オランダ靴の秘密(ネタばれ書評)』、『ギリシア棺の秘密(ネタばれ書評)』、『エジプト十字架の秘密(ネタばれ書評)』、『アメリカ銃の秘密(ネタばれ書評)』、『シャム双生児の秘密(ネタばれ書評)』、『チャイナ・オレンジの秘密(ネタばれ書評)』、『スペイン岬の秘密(ネタばれ書評)』、のことを指します。ミステリ界における超有名人物が初期に残した傑作群です。解決編の前に”読者への挑戦”をはさむそのスタイルは後世の作家にも大きな影響を与えました。『ギリシア棺の秘密』は長門有希の100冊にも挙げられてますから、ファンなら必読書だと言えるでしょう(笑)。ちなみに、『日本庭園の秘密(ネタばれ書評)』というのもありますが、これの原題は THE DOOR BETWEEN ですので、厳密には国名シリーズではないのですが、クイーンの作品はどれも面白いので読んで損することはありません。その他のクイーンの作品に興味のある方は、私の書いた『クイーン長編全書評』をご参照下されば幸いです(全部ネタばれですが・笑)。また、こちら、EQMMさんのエラリイ・クイーンの書評のページは、クイーンが登場する全作品(短編含む)の詳細な書評がされておりまして、激しくオススメです。あ、クイーンを知らない方は混乱されてしまったかもしれませんが、エラリー・クイーンの作品には、エラリー・クイーンという著者と同名の探偵が主人公が活躍する作品がほとんどなのです。紛らわしいですね(笑)。
エラリー・クイーンというのは、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーという従兄弟同士の合作ペンネームです(参考:Wikipedia)。しかも、この二人はバーナビー・ロスという別のペンネームで『Ⅹの悲劇』から『ドルリイ・レーン最後の事件』までの四部作を書き上げます。この真相が知られる以前に二人は、片方(リー)がクイーンを名乗り、もう片方(ダネイ)がロスを名乗り、互いに知恵比べをするという講演会ツアーを行なっています。まさに”分裂”ですね(笑)。
以上、ハルヒにかこつけてクイーンの著作を紹介するコーナーでした(笑)。
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