森博嗣『カクレカラクリ』メディアファクトリー

 コカコーラ120周年記念ということで森博嗣が書き下ろした青春冒険ミステリィ
 120年前に作られ、120年後の今年初めて動くという「隠れ絡繰り」を巡る物語です。
 TVドラマ化されるということを意識したのか、ストーリィ自体はシンプルでキャラ配置も意図的なもの、またこれ見よがしに登場人物がコカコーラを飲むところなど、「これほんとうに森博嗣の作品?」と思われるかもしれませんが(笑)、さにあらず。
 舞台や人物がTV向けになっても、コカコーラとタイアップしていようとも、死体が出てこなくいても、この作品は森博嗣テイストが溢れています。
 いや、むしろ森博嗣色を極限まで絞っているため、逆に森博嗣のエッセンスが出た感じです。
 隠れ絡繰りをめぐるひと夏の冒険。ミステリィというより、新城カズマ言うところの「単なる良質なエンタテイメント=ゼロ・ジャンル」に該当するような気がします。
 娯楽性を高めた、ある意味「森博嗣の極北」に位置する作品ですが、非常に楽しく読めました。この作品がどうドラマ化されるのか、非常に楽しみです。
 ところで、mixiでドラマ「カクレカラクリ」専用コミュニティがあるとのこと。
 続きはmixiでって どーいうつもりですか!
 便利なはずの機械によって生じる不便の多いこと!絶望した!

カクレカラクリ?An Automaton in Long Sleep

カクレカラクリ?An Automaton in Long Sleep