スプリンターズS結果

結果ー。
1  アストンマーチャン 1:09.4
2  サンアディユ 3/4
3 ◎アイルラヴァゲイン クビ
4 ○キングストレイル アタマ
5  タマモホットプレイ 1
たられば言えば毎回的中なのですが、今回の敗因は雨の一言に尽きますね。そのなかでフジモリ本命のアイルラヴァゲインはよく頑張ったほうだと思います。勝ったアストンマーチャンは強かったです。今年の3歳牝馬は強い。また、破れたとはいえサンアディユがあれだけのパフォーマンスを見せたこともびっくりです。スプリンター戦線の中核を担う一頭として期待できます。
 予想はというとまだ連敗脱出の糸口すらつかめず。アイヨシにも指摘されていますがどうにか変わってほしいものです(笑)。いや、笑い事じゃなくって。
 リハビリ代わりにGI以外の予想もはじめよっかなぁ・・・。

号外さんちゃ0221号

 三軒茶屋別館のアクセスが30万を超えました。開設から1年経たずにして本館のアクセスを上回るこのペースは正直予想をはるかに超えており、非常に驚いていると同時にご来訪される方々に感謝しております。本館はTOPページのアクセスのみカウント、別館は全ページカウントと集計方法に差があるので一概には比較できませんが、ニュースサイト様や書評サイト様などに取り上げていただく頻度が増えたことが大きな要因かと思います。
 アイヨシと違い、フジモリは思いついたら記事を書きストックをあまり持たないカンバン方式で運営しております(笑)。ある意味アイヨシの日々の更新におんぶに抱っこしている部分もありますが、まあ無理せずこのペースで細々と続けられれば良いかなぁ、と思っています。本館は書評サイトとして6年以上続けていますが、やはり積み重ねたものは財産であると考えています。これからも当サイトの書評を通じ、来訪者の方が新たな本と出逢えたり、既に読んだ本の新たな読み方を発見していただければ望外の幸せで御座います。毎度毎度の台詞ですが、今後とも御引立ての程、何卒宜しくお願い申し上げます(ぺこり)。
 ・・・あー、ジョジョ記事書くの忘れてました。近いうちになんとか。



講談社『BOOK倶楽部メール』より、今月の講談社ノベルス新刊。
西尾維新不気味で素朴な囲われた世界
古野まほろ『天帝の愛でたまう孤島』
チェックチェック。ちなみに西尾維新きみとぼくの壊れた世界』『不気味で素朴な囲われた世界』がハードカバーで出るそうですが、どんな読者層を想定しているのか気になるところです。

コミックダッシュ! - 漫画(マンガ)、コミックの蔵書管理と新刊発売日のチェックをサポートする総合サイト | コミックダッシュ!
 土日は部屋の片づけをしていました。積み重なった漫画の整理をしていたのですが、もはや管理も限界。某所でこのサイトの存在を知り、がりがりと在庫整理をしました。この「コミックダッシュ!」というサイト、持っているマンガを登録するとそれが一覧で確認でき、また最新巻の発売情報も知ることが出来るという優れもの。登録は意外と簡単で、1000冊程度なら3〜4時間でできます。蔵書管理にお悩みの方は是非一度お試しあれ。

http://www.cinematopics.com/cinema/news/output.php?news_seq=6449
魍魎の匣』は確かに京極堂シリーズNo1とする人が多いですよね。(フジモリは『絡新婦の理』ですが)
 椎名林檎京極夏彦作品を読んでいたというのはびっくりですが、レトロな歌詞回しなど似ている点はあり「さもありなん」という感じ。『魍魎の匣』公開は12/22ですが、実相寺昭雄監督の遺作となった『姑獲鳥の夏』とはまた違った演出を期待して観に行きたいと思います。

『学校を出よう! 3』(谷川流/電撃文庫)

学校を出よう!〈3〉The Laughing Bootleg (電撃文庫)

学校を出よう!〈3〉The Laughing Bootleg (電撃文庫)

 本書は2部構成的になってまして、第三EMP学園の女子寮における人間消失事件の解決が第1部で、その真相を前提にしたさらなる大事件の発生が第2部となります。密室からの人間消失事件などと聞くと、どうしてもミステリを期待したくなってしまいますが、EMPなどという謎の超能力が存在する世界での消失事件ですから、真っ当な推理を期待するのが野暮というものですけれど、それにしてはきちんとした推理が開陳されて事件が解決されるところが面白いです。
 で、その真相を踏まえて次なる事件が発生するわけですが、1巻では幽霊でしたけれど、本書ではドッペルゲンガーとでも表現すべき現象が大規模に発生します。幽霊とドッペルゲンガーの違いとは何でしょうか? いや、大違いではあるのですが(汗)、幽霊は死後の存在ですから生死の問題はありますが人格の単一性・真偽の問題は発生しません。対して、ドッペルゲンガー(本書では〈シム〉と呼ばれています)は、本物が存在することを前提としての”もう一人の存在”ですから、どちらが本物でどちらが偽物なのか? というのが大問題となります。しかし、それは誰にとっての問題なのでしょう? 本当に問題なのでしょうか? 本物と偽物のパーソナリティはどのように決まるのでしょうか? こんな風に問題提起しちゃうと小難しいものに思われちゃうかもしれませんが、実際には、光明寺茉衣子という悲劇(笑)のヒロインを中心としたコメディとして物語は展開していきます。そうしたドタバタの幕間幕間に衒学的なやり取りがタイミングよく挿話されます。作者の優れたバランス感覚によって総じて安定した雰囲気の物語に仕上がっていると思います。
 ところで、私は本書を読んでP・K・ディックの『あなたをつくります』を思い浮かべました。というのも、本書に登場するドッペルゲンガー想念体〈シム〉の名称の由来は「シミュラークルのシム」と説明されているのですが、そのことが『あなたをつくります』に登場する模造人間シミュラクラを思い起こさせるからです。〈シム〉と違いシミュラクラは高性能のロボットです。その人格はプログラムによって作られるものなので本来なら人間とは明確に違うはずなのですが、しかし、そうして生まれたはずのシミュラクラはまるで人間そっくりに動き、本を読み、話をします。『あなたをつくります』の主人公ルイスはシミュラクラとの会話に安らぎを覚える一方で、人間であるはずの少女との会話に苦悩します。人間以上に人間らしい存在と人間らしくない人間と、その両者を目の前にしたときに、果たしてどちらが人間なのかを確かめる意味はどこにあるのでしょうか? 
 なお、『あなたをつくります』には興味深いエピソードがあります。P・K・ディックという作家は、映画『ブレードランナー』や『トータル・リコール』の原作者としても知られていますから、SF作家というイメージが圧倒的だと思います。しかし、実はディック自身SFから離れた主流文学も志向していまして、本書はそうした最中に書かれた作品です。従いまして、『あなたをつくります』は、シミュラクラといういかにもSF的なガジェットが出てくるにもかかわらず、物語の内容はあまりSF的ではありません。で、『あなたを〜』は、単行本で刊行される3年前に雑誌〈アメージング・ストーリーズ〉において2回分載で発表されているのですが、そのとき編集長だったテッド・ホワイトによって勝手にSF的な結末を書き加えられて発表されてしまいました(単行本刊行時には、もちろんディックの元の原稿のまま発表されています)。具体的にどのような加筆だったのかは『あなたを〜』巻末の解説に詳しいのでここでは省略します。しかし、オチの付け方によるジャンル性の変更という事象は、本書『学校を出よう! 3』におけるある人物同士の会話を彷彿とさせるものがあってなかなか興味深い事柄だと思います。
あなたをつくります (創元SF文庫)

あなたをつくります (創元SF文庫)

【関連】
プチ書評 『学校を出よう! 1』
プチ書評 『学校を出よう! 2』
プチ書評 『学校を出よう! 4』
プチ書評 『学校を出よう! 5・6』
『学校を出よう!』シリーズとP・K・ディック作品の関連性についての私論