号外さんちゃ0272号

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『エコール・ド・パリ殺人事件』(深水黎一郎/講談社ノベルス)

エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ (講談社ノベルス)

エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ (講談社ノベルス)

 デビュー作の『ウルチモ・トルッコ』は堂々たる変化球でしたが、それだけに2作目としてどのような作品を発表してくるのか興味津々でしたがとても面白かったです。
 不可解な密室の謎と、被害者である画商の遺したエコール・ド・パリについての美術書とが平行して語られます。作中で発生した密室殺人の謎をめぐる捜査のパートは最初かなり地味です。謎解きの手前には「読者への挑戦状」といったお約束もあったりしますが、その裏には奇抜な仕掛けが隠されていまして、そのバランスが絶妙です。美術書のパートにしても、単にエコール・ド・パリについての知識を補強するだけのものではなくて*1、事件の真相に二重三重に関わっているのが出色の出来です。人間的にはどうかと思いますが(笑)、ミステリ的には傑作だと思います。
(以下、既読者限定で)

*1:というより、エコール・ド・パリに関する美術史書として普通に面白いです。巻末の参考文献を見ると作者もかなり調べて書いたみたいなので内容的にも信用していいんじゃないかと思います。

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