『少年ノート』7巻

少年ノート(7) (モーニング KC)

少年ノート(7) (モーニング KC)

 高校野球のサヨナラエラーの合唱版といいましょうか、合唱人だったら過去の心の傷を深く掘り起こされることこのうえない前巻のラスト。今回ほどページをめくる手を重く感じたことはありませんでした。
 道を違えた町屋、声が失われる兆しを見せるゆたか・・・。「二度とこの24人でで歌うことがない」とゆたかの言葉にありますが、音楽はまさに二度と同じ演奏ができない瞬間芸術。二度とないからこその美しさと儚さをしっかりと描いており、そしてしっかり描いているからこそ読む者の胸にその悲しさが突き刺さります。
 次巻予告には「最終章」の文字が。物語が終わるのはさびしいですが、「終わり」と、「終わりではない終わり」がしっかり描かれることを確信しています。