「将棋世界」2013年1月号感想
- 出版社/メーカー: マイナビ
- 発売日: 2012/12/03
- メディア: 雑誌
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本誌は表紙からも丸分かりのように竜王戦特集といっても過言ではありません。竜王戦第2・3・4局について、それぞれ濃密な解説と対局者の対局心理などがつづられています。ネット中継の棋譜コメやブログなどをすでに読んでる方にとっても興味深い内容となっていると思います。特に第3局の最終盤での控え室の見解とコンピュータ将棋の判断との対比、それについての対局者の見解は極めて示唆に富むものだと思います。
ですが、本誌の影の主役は実は永瀬拓矢五段です。新人王戦決勝三番勝負第2・3局の永瀬拓矢五段対藤森哲也四段戦、加古川清流戦決勝三番勝負第1・2局の永瀬拓矢五段対伊藤真吾四段戦と棋戦ダブル優勝の解説と、それを受けての永瀬拓矢五段インタビュー「昨日よりも強くありたい」が収録されています。
「先手番で千日手にしても、後手番になるだけで負けではないじゃないですか。勝負は振り駒で決まるレベルではないと思っているので」
本誌「昨日よりも強くありたい」p48より
さらには、将棋世界と週刊将棋の合同企画「双龍戦 最強タッグリーグ」第6戦として永瀬拓矢五段対清水上徹アマ戦「事件発生」も掲載されています。千日手王子との異名も持つ(?)新鋭・永瀬拓矢五段の異才と可能性を存分に堪能できる一冊だといえます。
ガムでリフレッシュ対談Vol.2 川渕三郎さん(日本サッカー協会最高顧問)×羽生善治三冠 「攻守のバランスが勝利の鍵」
サッカーと将棋といえば、U-16日本代表が羽生善治三冠のドキュメンタリーを鑑賞したりしています。また、川渕三郎は日本将棋連盟非常勤理事を務めてもいます(http://www.shogi.or.jp/aboutus/yakuin.html)。そんなわけで、ゲーム性的にも組織的にも近しい間柄にある者同士の対談なので、話が合うのも当然ですね。
ちなみに、サッカー×将棋のコラボ漫画「ナリキン!」2巻明日7日発売です。
- 作者: 鈴木大四郎
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2012/12/07
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突き抜ける!現代将棋 第40回「深くて不思議な金の話」
今回のキーワードは「金」。
王座戦第4局千日手局の終盤、印象的な△6六銀(!)に至るまでの複雑玄妙な終盤のやりとりが丁寧に解説されています。この解説を読めば△6六銀という一手についての感動がより深まること間違いなしです。
新・イメージと読みの将棋観
▲7六歩△3四歩▲2六歩△8八角成とする△4手目8八角成の局面について6棋士の見解が述べられています。このうち、なんといっても興味深いのが竜王戦でこの序盤を多用する丸山忠久九段を迎え撃った渡辺明竜王の見解なわけですが、次のようなことを述べています。
渡辺 これは損なんですけど、もともと後手は後手だから、何をやっても苦しい。現代はあらゆる戦法の定跡が整備されていて後手でよくなる定跡はない。よって、後手としては定跡通りに進めるわけにはいかず、どこかで変化する必要がある。そして、どうせ変化するなら4手目で変化しちゃおうというのがこの作戦。定跡を4手目にして外して力戦に持ち込もうという意図です。
(本誌p144より)
この後手番の苦しさについての見解は、渡辺竜王自身の説なのか、それとも単に△4手目8八角成を採用する棋士の意図を代弁したの過ぎないのかは読み方の分かれるところのように思いますが、いずれにしても現代将棋の後手番の苦労が忍ばれるものだといえるでしょう。
名局セレクション 選局・解説 高橋道雄九段「100手の支配と1手の反逆」
2つの魔法少女ものが、とても気になっている今日この頃。
マミさんとリーネちゃんが好きです。
(本誌p200より)
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本欄で紹介&解説されているのは平成24年10月12日第84期棋聖戦2次予選:加藤一二三九段対北浜健介七段戦です。北浜七段のゴキゲン中飛車に対して加藤九段が採用したのは7手目▲4六歩から▲4七銀型。いわゆる超速▲3七銀がゴキゲン対策の主流となっている昨今では珍しく見える戦型ですが、本局は先手が巧みな指し回しによって金銀を進出させていきます。北浜七段も必死に勝負手を連発しますが、加藤九段の指し手は冴え渡り、快心譜の完成まで後一歩というところまでこぎつけますが、最後の最後でまさかの落とし穴が。「将棋は逆転のゲーム」とよくいわれますが、本当に恐ろしいゲームです……。