片山まさゆき麻雀漫画列伝

打姫オバカミーコ (1) (近代麻雀コミックス)

打姫オバカミーコ (1) (近代麻雀コミックス)

2月26日発売の15巻をもって、片山まさゆき打姫オバカミーコ』が完結しました。
個人的には片山まさゆき漫画史上に残る「名作」だと思っていますので、『打姫オバカミーコ』の内容解説とその魅力について今更ながら語ってみたいと思っ・・・たのですが、まずは本題にはいる前に、前段として片山まさゆきの麻雀漫画について簡単にご紹介したいと思います。
麻雀漫画を少しでもかじったことのある人なら言わずもがなのラインナップでしょうが、以下に挙げるいくつかは麻雀漫画史上に残るといっても過言ではないとも言える作品ですので、興味もたれた方はご一読ください。
それぞれを詳しく語りだすとそれこそ終わらなくなりますので(笑)、簡単な紹介と感想を。

スーパーヅガン

スーパーヅガン―豊臣くん (1) (竹書房文庫)

スーパーヅガン―豊臣くん (1) (竹書房文庫)

不ヅキの主人公・豊臣秀幸とその仲間たちが送るギャグ漫画です。テンポの良さとコミカルな絵柄でまさに麻雀ギャグ漫画のパイオニアとも言える作品だと思います。

ぎゅわんぶらあ自己中心派

片山まさゆき麻雀漫画の金字塔とも言えるべき名作。
一般誌(ヤングマガジン)に掲載されたこともあり、麻雀を「賭博」から「カルチャー」に押し上げた功労者だと言えるでしょう。なにをかくそうフジモリもこの漫画から麻雀に入りました。
内容は、フリー麻雀で稼いでいる雀ゴロ・持杉ドラ夫とその仲間たちがおもしろおかしく麻雀を打つだけのお話です。
時事ネタをこれでもかこれでもかと詰め込み、麻雀知識がなくても楽しめる、麻雀知識があればもっと楽しめるという麻雀ギャグ漫画です。

ノーマーク爆牌党

ノーマーク爆牌党 1 (1)

ノーマーク爆牌党 1 (1)

この漫画を片山まさゆき作品のベストに挙げる人は多々いるのではないでしょうか。
一見無謀な捨て牌だが、相手の当たり牌を引き出す「爆牌」の使い手・爆岡弾十郎。あっと言う間に麻雀界のトップに登りつめた爆岡を追うプロ雀士・鉄壁保。鉄壁は爆岡を倒すことができるのだろうか。。。というお話です。
「爆牌」を軸とした骨太の闘牌シーン、個性豊かなキャラクタは、「競技」としての麻雀を満喫できる名作です。

理想雀士ドトッパー

麻雀プロの頂点であり、自らを「怒涛のトップをとる、ドトッパー」と名乗る「理想雀士」と、連続したトップをとる「横ドトッパー」柊雹平、ツボに嵌るととてつもなく大きなトップをとる「縦ドトッパー」瓦鳩之介らの戦いを描いています。
麻雀は将棋と異なり、プロがアマチュアに負けてしまうことがよくあります。
「運」とか「流れ」というものをうまく漫画化した作品で、早期打ち切りに終わったものの「イケテル」「ヤバゾー」などフジモリはけっこう好きでした。

ミリオンシャンテンさだめだ!!

日本一配牌の悪い「ミリオンシャンテン男」・宿命田 草太が、恵まれたツキをもつ女の子・めろん畑 桃美とともに学生麻雀の頂点に挑む、というお話です。
打ち筋やツキというのは個性が出ますし個々人の美学がふんだんに詰まっていますが、それを「キャラクタ」として特化させるところまで昇華した作品です。個人的には「濁流」芥川が好きでした。

牌賊!オカルティ

牌賊!オカルティ 1 (近代麻雀コミックス)

牌賊!オカルティ 1 (近代麻雀コミックス)

ギャンブラーの世論として避けて通れない「デジタル派」と「オカルト派」。そのトレンドをうまく作品に掬ったのが『牌賊!オカルティ』です。
オカルト(ジンクスに沿って麻雀を打つ)雀士・群鷗刈人とデジタル代表の・梨積港、そのどちらも信じない雀士・朧夏月の闘いを描いた作品です。
群鷗刈人のオカルトシステムは『』という本にもなりました。

過去の片山まさゆき麻雀漫画をご紹介するだけでこれだけ紙面を費やしてしまいましたが、こうやって振り返ってみるとこれだけ数多くの麻雀漫画を世に放つという点でもこの作者のすごさがわかると思います。
明日はいよいよ本題、『打姫オバカミーコ』がこれら片山まさゆき漫画の系列につながる良質な麻雀漫画であることを語りたいと思います。