『3月のライオン』と『ハチワンダイバー』と詰将棋

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『3月のライオン』第37話には将棋図巧93番が出てきています。
●図巧93番

『ヤングアニマル』誌上では45手詰めとされていますが、いろいろ調べてみると怪しいみたいですのでご注意を(笑)。作中では研究会でエキサイトする二海堂と重田をおとなしくするために詰将棋がスッと差し出されています(子供教室ではしゃいでいる子供をしずめる技として紹介されてますが・笑)。将棋の問題を見ると解かずにいられない将棋好きの習性を利用した技だといえるでしょう。
ちなみに、『3月のライオン』1巻p10にも将棋図巧の作品(2番)が登場しています。1巻p134の先崎八段のコラムで紹介されているのでご存知の方も多いでしょう。
●図巧2番

詰将棋とは、基本的には玉を詰ます問題集です。将棋は他でどれだけポイントを稼がれようが、相手の王様を詰めさえすれば勝ちのゲームです。終盤力の訓練として詰将棋を解くことには重要な意味があります。
また、『3月のライオン』3巻収録の第26話では、対局前のスミスが朝食を摂りながら5手詰めの詰将棋を解いている場面が描かれています。これは何も試合前になって訓練をしているわけではなくて、一度解いた問題・解ける問題を解くことによって終盤での簡単な読み抜けをなくし相手の玉を確実に詰ますイメージトレーニングをしているのです。いわば試合前のウォーミングアップなのです。
一方、『ハチワンダイバー』第153話には図巧99番”煙詰”が登場しています。
●図巧99番

煙詰
初期状態で盤面に攻め方の玉将を除く39枚の駒を配置し、詰め上がり状態で最少(3枚)となる詰将棋。伊藤看寿の『将棋図巧』第九十九番のものが最初のものである。
詰め上がり時に玉の位置が盤面周辺ではない場合は、最小枚数が4枚になる。当初は異論もあったが現在では煙詰として認知されている。
詰将棋 - Wikipedia
詰将棋は終盤力を鍛えるための問題集という意義もありますが、それだけではなく、長手数の手順や趣向を楽しむ芸術的な作品という意義を持った作品もあります。この煙詰などはそうした趣向の芸術性をまさに象徴しています。
ちなみに、上記の『将棋図巧』についてはこちらのページ、「将棋博物館」内の将棋図巧のコーナーで手順を確認することができます。興味のある方はぜひご覧になってみてください。
【関連】ハチワン=081=オッパイと読んでしまう人のための『ハチワンダイバー 15巻』将棋講座 - 三軒茶屋 別館
以下、詰将棋に興味のある方の参考までにいくつかサイトを紹介しておきます。
・詰将棋メモ−詰将棋界のポータル的サイトです。
・詰将棋解答選手権 速報ブログ−年一回行なわれる詰将棋解答選手権のブログですが、インタビューなどの内容も充実しています。特に宮田敦史五段へのインタビューは必見です。
・Problem Paradise−新企画『この詰将棋がすごい! 2009』が進行中です(笑)。

- 作者: 伊藤宗看,伊藤看寿
- 出版社/メーカー: 平凡社
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