私家版2008年その他 ベスト?

 年末ですので書評サイトらしく一応2008年のベストその他なんぞを挙げてみます。ちなみに私家版ですので、刊行年数などにかかわらず私が2008年に読んだ本の中から選ばせていただきましたのであしからず(順位も付けていません)。

ダンシング・ヴァニティ

ダンシング・ヴァニティ

ダンシング・ヴァニティ

 筒井康隆いまだ健在なり。
【関連】『ダンシング・ヴァニティ』−筒井康隆式ゲーム的リアリズム− - 三軒茶屋 別館

シャルビューク夫人の肖像

シャルビューク夫人の肖像 (RHブックス・プラス)

シャルビューク夫人の肖像 (RHブックス・プラス)

 ミステリの枠で紹介してもよかったのですが、ミステリというよりはミステリアスの方がこの作品を表すのに適している思ったので、その他枠での紹介となりました。
【関連】『シャルビューク夫人の肖像』(ジェフリー・フォード/ランダムハウス講談社文庫) - 三軒茶屋 別館

贋金つくり

贋金つくり (上) (岩波文庫)

贋金つくり (上) (岩波文庫)

贋金つくり (下) (岩波文庫)

贋金つくり (下) (岩波文庫)

 メタ・フィクションの技法を用いた作品の元祖として知られている作品ですが、古書店を巡りに巡ってようやく手に入れることができました。メタ・フィクションについての興味はいまだ尽きませんので、今後もこだわっていきたいと思っています。
【関連】『贋金つくり』(アンドレ・ジイド/岩波文庫) - 三軒茶屋 別館

しおんの王

しおんの王(8) <完> (アフタヌーンKC)

しおんの王(8) <完> (アフタヌーンKC)

 『ハチワンダイバー』、『3月のライオン』の先駆けとして発表された将棋サスペンスが堂々の完結。漫画の場合ですと、連載終了=打ち切りというイメージがあるせいか、最終回を迎えたことが正当に評価される機会が少ないように思います。そういう意味もあって、将棋ファンとしてフォローしておきたくなったのでご紹介ー。
【関連】そろそろ『しおんの王』について語っておくか - 三軒茶屋 別館

ディフェンス

ディフェンス

ディフェンス

 ナボコフがチェスを題材にして描いた稀代の傑作。作中で音楽に例えられて表現される対局の様子は、今年読んだ小説の中ではトップクラスの迫力です。反則とは知りながらも、その部分だけ切り取って一人でも多くの方に読んでもらいたいと思わずにはいられません。
【関連】『ディフェンス』(ウラジミール・ナボコフ/河出書房新社) - 三軒茶屋 別館

イメージと読みの将棋観

イメージと読みの将棋観

イメージと読みの将棋観

 将棋というと理系的なゲームではあるのですが、実際にはトップ棋士の間でも結論の分かれている局面がいくつもあります。まだまだ理屈で説明することのできない曖昧模糊とした領域がたくさんあります。そうした可能性をイメージとして読者に分かりやすく伝えてくれている良書です。棋力を問わず将棋ファンにオススメの一冊です。
【関連】『イメージと読みの将棋観』(鈴木宏彦/日本将棋連盟) - 三軒茶屋 別館


 この場を借りてさらっと今年の総括めいたことを書きますと、今年はアクセスが飛躍的に増大した1年でした。去年の平時のアクセスは400〜500程度でしたが、今年は一気に1000前後まで伸びました。原因は、『ハチワンダイバー』のドラマ化と『図書館戦争』のアニメ化です。特にアイヨシが深く関係しているのが『ハチワン』です。それまで地道に原作漫画の解説記事を書いていたものが、ドラマ化によってあっという間に当サイトのキラーコンテンツになってしまいました。ドラマの前半はほぼ原作準拠だったため、ドラマが放送されるたびに単行本の解説記事にアクセスが集中するという異常事態が発生しました。「石田流三間飛車」などという単語で放送後1時間に1000近いアクセスを数えることになるとは夢にも思いませんでした。世の中、何が人気になるか分かりませんね。怖い怖い。
 『ハチワン』ドラマと『図書館戦争』アニメの放映終了に伴ってアクセスの方も沈静化しましたが、それでもアクセスの基礎力がグンと上がって現在に至っています。ジョジョネタは相変わらずの人気ですし、『3月のライオン』は新たな人気コンテンツとして当サイトのアクセスを支えています。漫画ネタの人気は痛切に感じていますので、これからもコアなこだわりを忘れずにネタ記事を書き続けて行きたいと思います。
 …えっ? 書評? 何のことですか?(笑) いや、一応は当サイトのメインコンテンツのつもりですので、これからも忘れ去られないようコツコツと頑張っていきたいと思いますので、何卒ご愛顧の程よろしくお願いします(ペコリ)。